8335☆GⅠレース回顧〜優駿牝馬(オークス)〜 | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.7

8335☆GⅠレース回顧〜優駿牝馬(オークス)〜

曇り・良馬場で行われた、第85回「優駿牝馬(オークス)」は、2番人気のチェルヴィニアが優勝。世代の頂点に輝いた。2着1番人気ステレンボッシュ、3着3番人気ライトバックで堅い決着。





[ハロンタイム]
12.4―10.8―11.5―11.5―11.5―12.1―12.8―12.9―13.4―12.2―11.5―11.4 (2:24.0良)

レースを引っ張ったのは、ショウナンマヌエラとヴィントシュティレ。逃げ宣言をしていたショウナンマヌエラは想定通りとして、前走で逃げ切り勝ちを収めたヴィントシュティレも絡んで5ハロン57秒7のハイペース逃げ。明らかなオーバーペースで2頭はブービーと最下位に沈んだ。ハイペースとはいえ、3番手以降は10馬身以上離れたタガノエルピーダとランスオブクイーンが59秒前半のペース。この2頭が実質的な逃げ馬となり、更に離れた5番手以降は60秒台のペースで実質スロー寄り。ラストの瞬発力勝負の競馬となった。

勝ったチェルヴィニアはスタートはイマイチだったが、上手く流れに乗せて1角で早くもステレンボッシュの外後ろに付けてマークしている。相手はステレンボッシュ1頭だけという鞍上のルメールの決め打ちだったが、うまい具合にアドマイヤベルがステレンボッシュの外から蓋をしてくれたおかげでアドマイヤベルの後ろに付けられた。ステレンボッシュの動きをマークしながら動きやすいポジションをキープできたのは大きかった。いつでも動ける状態ではあったが「3〜4コーナーまで我慢したかった」とルメールがコメントしたように、外からサフィラが動いても仕掛けを待っていた。4角から直線に入ると外に持ち出して溜めていた末脚が爆発。アルテミスステークスでラスト3ハロン11.4→11.2→11.0の加速ラップを差し切ったように、今回も12.2→11.5→11.4の加速ラップを上がり最速タイの末脚で差し切った。馬の能力もさることながら、ルメールの素晴らしい騎乗が人馬一体となった戴冠。桜花賞13着から立て直したノーザンファーム天栄の外厩力も見事だった。

ステレンボッシュは、アドマイヤベルに外から蓋をされて前と後ろからもマークされて馬群の中に封じ込められてしまった。進路を内に取ることしかできず、馬にも騎手にもかなりのプレッシャーが襲っただろう。それでも直線で馬群を割って抜け出して坂を上がった時点では先頭。ゴール寸前でチェルヴィニアに差し切られてしまったが、上がりの脚は勝ち馬と同じく最速を記録して桜花賞馬としての力は示した。

ステレンボッシュは、レース中に右後肢を落鉄していた。

どこでどう落鉄したのかは不明だが、落鉄は人間で言えば靴を履いていないのと同じような状態。落鉄がなければ勝っていたとは断言できないが、少なからず走りに影響があったことだけは確かだと思う。落鉄しながらの2着は負けて強しの競馬だったが、惜しい半馬身差だった。

馬券圏内の3頭は、差しの競馬だった。例年のオークス通りの結果だったが、3着のライトバックも後方から末脚を伸ばしたものの、上がりの脚は上位2頭に及ばなかった。このあたりは、長くいい脚を使う馬よりも、速い上がりの脚が使える馬が有利なレース質を表す結果となったと言えそうだ。

予想は馬連を的中したもののガミってしまったが、人気上位のクイーンズウォーク(5番人気4着)、スウィープフィート(4番人気6着)を切れたのは良かったと思う。今週の日本ダービーも人気馬の死角を炙り出して的中に結びつけたいと思っております。