8334☆優駿牝馬(オークス)

中央競馬において「優駿」という言葉がレース名に付いているGⅠレースは「優駿牝馬(オークス)」と「東京優駿(日本ダービー)」の２つだけ。正式名も「優駿牝馬」と「東京優駿」になっている。オークスと日本ダービーは、あくまでも副称なのだが、副称の方が正式名になっている感は否めない。個人的にも優駿牝馬よりはオークスの方が“収まり”がいいと感じるし、東京優駿は、使用すら少ない言葉だ。当ブログでは正式名に敬意を払い「優駿牝馬」をタイトルに使用しているが、本文では便宜上「オークス」を使用している次第である。

今年のオークスは、桜花賞組が断然と言われている。今年と言わず毎年のように桜花賞組は好走するが、桜花賞から距離が800m延びても、オークスの時点での能力差やレースの格の違いで桜花賞組優位の図式は続いていくのだろう。今年も軸は桜花賞組から選びたい。

桜花賞を制したステレンボッシュは、阪神ジュベナイルフィリーズで先着されたアスコリピチェーノに雪辱した。勝因は、４角でアスコリピチェーノを外に追いやった鞍上のモレイラの手綱さばきが大きかったが、馬自身の成長力の差とも言えた。オークスでも更に成長している可能性があり、過去の成績からも優勝候補の筆頭であることに異論はない。

　桜花賞は、後半５ハロンが57秒7で、ステレンボッシュは４角８番手から上がり33秒4の３位上がりでの勝利だったが、過去10年で「後半５ハロン59秒0以下」且つ「４角３番手以下から１〜３位上がり」で勝った馬は、2018年アーモンドアイ、22年スターズオンアース、23年リバティアイランドの３頭がいて、３頭ともオークスを勝っている。アーモンドアイとリバティアイランドは後に三冠馬になり、スターズオンアースも秋華賞で３着。ステレンボッシュのオークスでの好走も約束されたもので、３勝馬も過去10年で６勝を挙げ、２着７回３着６回の好成績。乗り替わりが懸念材料ではあるが、戸崎騎手はオークスで２着３回があり、ダービーでも２着２回。勝ち切れないものの、これだけの成績があれば問題ないと判断でき、今年は皐月賞を制して、GⅠ５戦で馬券圏内が３戦。今年の戸崎圭太は違うぞというところを見せている。今年のオークスは、実質「１強」で相手探しの一戦だ。

桜花賞組でステレンボッシュを逆転するのは難しそう。買うなら抑えが妥当で、相手は別路線組から探してみたい。

　フローラステークス勝ち馬アドマイヤベルは、ここまで４戦すべて３着以内で２勝。新潟外回りの芝1800でデビューしたように、陣営もデビュー前からオークス向きと判断していたのだろう。フローラＳも先団追走から上がり２位の末脚で快勝。勝ち時計1分59秒0は過去10年で３番目の好タイムで、引き続き横山武騎手騎乗もプラス材料だ。

忘れな草勝ち馬タガノエルピーダは、先行して４角先頭から上がり最速での勝利。勝ち時計は過去10年で３番目のタイムだった。土曜日の東京芝は前残り馬場で、馬場の３〜４分どころを通った馬が好走。この馬向きの馬場と読むことができる。川田騎手はクイーンズウォークを選択したが、厩舎関係からは仕方ないことで、代役がミルコならば過不足感はない。初めての関東遠征は懸念材料になる。

コガネノソラのスイートピーステークスの勝ち時計は、従来の記録を0秒6も更新するレース史上初の1分45秒台の勝利だった。しかも、道中で一旦ポジションを下げて盛り返して勝つ「Ｖライン」での勝利であり、上がり最速も記録。初勝利までに４戦を要したが、未勝利勝ちから３連勝で勢いがある。３勝はこの馬とステレンボッシュだけ。４月に２走して中２週の競馬が続くのはマイナス材料だが、極端な馬体減がなければ好走可能だ。

過去に人気薄で好走したのは桜花賞組。桜花賞凡走で人気を落としてオークスで巻き返すパターンで、桜花賞組断然というレース傾向に合致している。今年は桜花賞４着以下馬は４頭いるが、見直したいのはチェルヴィニアか。桜花賞は一頓挫あってぶっつけになり、主戦ジョッキーのルメールが乗れず13着大敗。負け過ぎの感はあるが、初めての関西のレースで仕方ない面もあった。今回は２戦２連対の東京替わりでルメールが復帰。アルテミスステークスの内容から能力非凡なのは明らかで軽視できない。

チェルヴィニア以外の３頭に関しては軽視。４着だったスウィープフィートには距離不安があり、８着のクイーンズウォークは、桜花賞後に膝に骨膜炎が発症して中間の調整も軽い。17着のショウナンマヌエラは、桜花賞トライアルのチューリップ賞も二桁着順で成長力に疑問がある。

【結論】

◎ステレンボッシュ

○アドマイヤベル

▲チェルヴィニア

☆コガネノソラ

△タガノエルピーダ

△ライトバック

馬連◎ながし

３連単◎１着ながし。