8278☆高松宮記念
陸上競技における短距離走、特に100M走は、若い世代が圧倒的に有利と言われている。肉体的には20歳そこそこがピークであり、回復力においては中学生頃が一番だとも言われる。ウサイン・ボルトが世界記録を出した時も22歳の時。歳を重ねるごとにスピードは衰えていくのだ。
馬でも若い年齢の方がスピードがあるのは必然であり、短距離レースでは若い世代の方が圧倒的と思いきや、この高松宮記念は、過去5年で4歳馬と5歳馬が各1勝で、6歳馬が2勝、7歳馬が1勝。過去10年に遡っても4〜6歳馬が連対率14〜15%で並んでいて横一線の状態だ。
【過去10年の年齢別成績】
4歳馬[3.3.2.31]連対率15%
5歳馬[3.3.3.35]連対率14%
6歳馬[2.4.3.35]連対率14%
7歳上[2.0.2.49]連対率4%
7歳馬は連対率は低いが2勝を挙げているのを見ても、若い世代の台頭が今イチでベテラン世代が頑張っている。過去5年のうち4年が道悪競馬で、道悪の経験値が低い若馬たちよりもベテラン馬たちが走っているという事情があったとはいえ、若い馬たちの躍進がないことが、現在のスプリント界が主役不在と言われる所以ではないだろうか。今年は、4歳馬が5頭で5歳馬が7頭。フルゲート18頭のうち6割強を占めている。この中から今後のスプリント界をリードする馬が現われるかどうかも注目される一戦だ。
昨年の高松宮記念は、4歳牝馬のナムラクレアが2着。近5年で3着内に入った4歳馬4頭のうち3頭が牝馬だった。スプリント戦なら牝馬でも勝ち負けになる証であり、昨年のスプリンターズSでも4歳牝馬が1、3着。スプリントGⅠは「4歳牝馬」が1つのキーワードになる。
今年の4歳牝馬は、モズメイメイとソーダズリングの2頭。モズメイメイは、以前のようなダッシュ力がなくなり、久々に逃げた前走は12着大敗。もう往年の走りは厳しいとみるのが普通だろう。
ソーダズリングは芝1200が初めて。初体験がGⅠというのは、一見すると厳しく感じるが、ここが初めての芝1200だった馬が過去5年で6頭、3着内に来ている。
【高松宮記念が初めての芝1200で3着内だった馬】
(2019年)
ミスターメロディ・阪急杯7着→高松宮記念1着(3人気)
(2020年)
グランアレグリア・阪神カップ1着→高松宮記念2着(2人気)
ダイアトニック・阪急杯3着(2位降着)→高松宮記念3着(4人気)
(2021年)
レシステンシア・阪急杯1着→高松宮記念2着(1人気)
インディチャンプ・阪急杯4着→高松宮記念3着(3人気)
(2022年)
ロータスランド・京都牝馬ステークス1着→高松宮記念2着(5人気)
注目すべきは、6頭すべての前走が芝の1400重賞だったこと。ミスターメロディとインディチャンプ以外は、そこでも3着内になり本番でも好走した。ミスターメロディにしても、2走前には阪神Cで2着。インディチャンプも2走前の阪神Cで3着だった。元々、高松宮記念は芝1400重賞実績馬が好成績を挙げているが、芝1200が初めての馬は、芝1400重賞での好走歴があれば問題ないという裏付けになる。ソーダズリングも前走の京都牝馬SをVライン勝利。人気も2番人気でフロックでの勝利ではなかった。初めての斤量56kgは気になるところではあるが、そこは鞍上の名手の腕でカバーできる。京都牝馬Sでは「これぐらいの距離が良いのかも。マイルも6ハロンも視野に入る(要約)」とコメントした。6ハロンが何を指すのかは言わずもがな。名手の頭の中には、この時点で既に高松宮記念に向けて好感触を得ていたと思われる。
レースは降水確率70%の予報。力の要る馬場になれば、中距離で培ったスタミナも活かせるはずだ。
【結論】
◎ソーダズリング
○マッドクール
▲ルガル
☆ママコチャ
△トウシンマカオ
△ナムラクレア
単勝◎
馬連◎ながし
3連複◎軸1頭ながし。