8272☆重賞レース回顧 | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.7

8272☆重賞レース回顧

曇り・稍重馬場で行なわれた、第72回「阪神大賞典」(GⅡ)は、2番人気のテーオーロイヤルが勝ち重賞2連勝。2着6番人気ワープスピード、3着1番人気ブローザホーン。



[レースラップ]
13.0―11.7―12.9―13.0―13.1―13.1―13.3―13.6―12.9―12.3―11.7―11.1―11.7―11.8―11.6(3:06.8稍重)


「強い!」という一言に尽きる、テーオーロイヤルの圧勝劇だった。好スタートから道中は3番手のイン追走。3〜4角の勝負どころでも鞍上の手は動かず手応え十分で直線に入ると、後続を引き離して5馬身差の圧勝だった。ラスト5ハロンから11秒台が続く阪神大賞典らしいレースだったが、スローからのロングスパート戦というレース質を見極めて絶好のポジションを取った鞍上の好騎乗。他馬が馬場に苦労してスタミナを削がれる中、決して得意ではない道悪での勝利は、骨折で1年近くの休養を余儀なくされた馬が能力が衰えるどころか、逆に強くなった印象を残した。


ワープスピードは中団の後方寄りだったが、向正面から動いて5番手まで進出。直線に入った所で走りがブレたが末脚を伸ばして2着争いを制した。内有利な流れで内が空いていたとはいえ、最内から上がって行った鞍上の好判断。やはり長距離は騎手の力だなと。


ブローザホーンも先団のインポジションだったが、直線で外に持ち出した分の3着。それでも、転厩初戦で58kgを背負ってワープスピードを上回る上がり2位タイの脚でクビ差。本番に向けて上がり目しかないだろう。



晴れ・良馬場で行なわれた、第73回「スプリングステークス」(GⅡ)は、1番人気のシックスペンスがデビュー3連勝で重賞初勝利。2着9番人気アレグロブリランテ、3着4番人気ルカランフィースト。



[レースラップ]

12.7―12.2―12.6―12.7―12.9―12.6―12.0―10.9―10.8(1:49.4良)


中山競馬場は強い風が吹いて、向正面は向かい風、直線は追い風での競馬。ラスト3ハロンは10秒台のラップが並ぶ中山らしからぬレースになった。

 勝ったシックスペンスは、好ダッシュから3番手追走。前半3ハロン37秒5、5ハロン62秒9のドスローで普通でも前有利な流れで、しかもラスト3ハロンは追い風に乗って33秒7。物理的に差すのは無理な流れであり、逃げたアレグロブリランテが2着、4番手のルカランフィーストが3着。本番の皐月賞にはつながらない結果と言えそうだ。シックスペンスも勝ったとはいえ、皐月賞でルメールは乗らない(レガレイラに騎乗予定)。レース結果も踏まえて、スプリングS組は本番では厳しく感じる。

 ルメールは、意外にも今年の重賞初勝利。既に勝っていると思ったが、人間の記憶は曖昧なものだw。



土曜日のフラワーカップ(GⅢ)は、2番人気のミアネーロが重賞初勝利。2着8番人気ホーエリート、3着1番人気カンティアーモ。



[レースラップ]

12.5―11.5―12.1―12.1―11.8―12.0―12.0―12.0―12.0(1:48.0良)


内柵の破損で発走が6分遅れでスタート。前半3ハロンが36秒1、上がり3ハロンが36秒0の平均ペースではあったが、道中はほぼ12秒が並び、上がり4ハロンがすべて12秒0。息を入れる所がなく、先行勢には厳しい流れになった。

 勝ったミアネーロは中団のイン追走。直線でも内を突いて坂を上がってから一気に突き抜けた。前走で不利を受けた直線もスムーズだった。勝ち時計1分48秒0は、過去10年で2番目に速いタイム。時計面は評価できるが、上位3頭は、すべて中団よりも後ろからの競馬で流れが向いた。


カンティアーモは立ち上がるようにしてスタートで出遅れ。直線でも前が狭くなり内に進路を切り替えるロスがありながらも上がり2位タイの脚。スムーズならばと思わせる競馬で賞金を加算できなかったのは痛いが、コース替わりで改めて。



ファルコンステークス(GⅢ)は、7番人気のダノンマッキンリーが重賞初勝利。2着5番人気オーキッドロマンス、3着1番人気ソンシ。



[レースラップ]
12.1―10.6―11.1―11.7―11.5―11.3―11.9(1:20.2良)

ダノンマッキンリーは、若干出負け気味のスタートだったがリカバリーもしなかったので、折り合い重視で後ろからという予定だったのだろう。レース後の北村友騎手も「調教に乗って難しい馬だなと感じていた。レースは上手く折り合って運べた(要約)」と振り返った。
 先行したい馬が揃って先団馬群が固まり、直線は大渋滞。その中を外からレース上がりを1秒1、2位上がりを0秒5も上回る上がり最速の脚(33秒6)で突き抜けた。逃げたオーキッドロマンスが2着に残って3着とは2馬身差。それを差し切ったのだから強い競馬だった。先行していた今までのレースから一転して後方からの競馬だったが、2戦目の秋明菊賞は出遅れて少頭数ながらも後方から上がり最速で突き放したように、現時点では脚を溜める競馬が合うようだ。今後も折り合い次第にはなるが、自分のスタイルを見つけた馬は簡単には崩れないだろう。