8258☆先週の重賞レース回顧 | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.5

8258☆先週の重賞レース回顧

晴れ・良馬場で行われた、第61回「弥生賞ディープインパクト記念」(GⅡ)は、6番人気のコスモキュランダが重賞初勝利。2着3番人気シンエンペラー、3着9番人気シリウスコルト。1番人気のトロヴァトーレは6着、2番人気のダノンエアズロックは7着に敗れた。



[レースラップ]

12.5―10.7―12.0―12.8―12.4―12.2―12.1―11.7―11.4―12.0(1:59.8良)


コスモキュランダは、まずまずのスタートだったが序盤の位置取りは後方3番手。「向正面でペースが少し遅いと感じたので、前残り馬場を考慮して途中で動く判断をした(抜粋)」(ミルコ)とのコメント通りに徐々に前に進出。残り800あたりから一気に前に出て先頭に並びかけると直線で抜け出してそのまま押し切った。“捲りのミルコ”の真骨頂だったが、長くいい脚を使って勝ち時計1分59秒8はレースレコード。荒れた馬場を考えれば優秀な時計で、過去に弥生賞で2分00秒5以内で勝った馬は、1993年のウイニングチケットから昨年のタスティエーラまで6頭いたが、ダービー馬3頭を輩出して皐月賞でも3頭が2着になっている。馬場差もあるので単純な比較はできないが、昨年のタスティエーラ(良馬場)よりも0秒6速かった。フロックでは出せない時計であり、本番でもミルコが乗れば怖い存在になりそうだが、今回と同舞台の良馬場の前走が1分59秒9で上がり3ハロン34秒9は同じ。時計に限界のあるタイプの可能性はあるかも知れない。


シンエンペラーは人気馬の中では一番普通に走れていたが、勝負どころでモタついて直線でも内にささる走り。まだ気性面での課題克服には至っていなかった印象を残した。


シリウスコルトは、今までに経験がなかった逃げを選択。権利を取るなら前受けの競馬という明確な戦法で権利を取った。陣営の作戦勝ちだ。


人気のトロヴァトーレとダノンエアズロックは、共にテンションが高かった。トロヴァトーレはパドックでは我慢できていたが、返し馬から掛かってレースでも折り合いを欠いた。ダノンエアズロックはプラス18kgの馬体。前走が20kg増での勝利だったので今回も成長分かと思ったが、過去イチでテンションが高く、パドックでは二人引きでも首を上下に振って落ち着きがなかった。ただ、歩様はチャカつきもなく普通に歩けていて発汗もなし。返し馬も問題なく、これなら大丈夫かなと感じたが、レースでは好位を取ってほぼ完璧な騎乗だっただけに、敗因は距離かなと。次の走りを見て判断してみたい。



土曜日のチューリップ賞は、5番人気→9番人気→15番人気での決着で3連単169万馬券の大波乱。上位人気馬たちがあまりにも走らなかった印象で、これが本番につながるかは疑問も、勝ったスウィープフィートは、後方3番手から上がり最速34秒3の末脚での快勝だった。位置取りは、トライアルで鞍上の武豊騎手がよくやる後方から脚を測る競馬だったが、しっかりと抑えて末脚を引き出す騎乗はさすがとしか言えない。馬は直線で内にモタれていたが、左手前に替えた時に内にささっており、ゴール前で再び右手前に替えてもうひと伸びしたことからも、本質的には左回りの方がいい可能性はあるが、本番でも直線一気の走りが見られるかも知れない。今回は名手に権利取りを託した形だったので、鞍上がどうなるかが注目される。



オーシャンステークスは、チューリップとは逆に1番人気→2番人気→3番人気での堅い決着。勝ったトウシンマカオは休み明けの分もあり、パドックでは前が硬くて良く見えず。馬体も12kg増で初めての480kg台。明らかに本番前の叩き台に思えたが、それでも勝ってしまうのだから今回は力が上だった。高松宮記念でも主役の1頭にはなるだろう。


2着のビッグシーザーは、中団に控える競馬を見せての2着。終始、鞍上の手が動いていたので意図しない位置だった可能性はあるが(坂井瑠騎手も行きっぷりが悪かったとコメント)、こういう競馬ができたのは収穫だろう。本番に向けて走りの幅も広がった。