8244☆GⅠレース回顧〜フェブラリーステークス〜 | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.7

8244☆GⅠレース回顧〜フェブラリーステークス〜

晴れ・良馬場で行われた、第41回「フェブラリーステークス」(GⅠ)は、11番人気の伏兵ペプチドナイルが優勝。重賞初勝利がビッグタイトル獲得となった。2着5番人気ガイアフォース、3着13番人気セキフウで3連単は153万馬券の大波乱。1番人気のオメガギネスは14着、2番人気のウィルソンテソーロは8着に終わった。






[レースラップ]

12.0―10.8―11.1―11.7―12.3―12.5―12.4―12.9(1:35.7良)


レースは想定通りにドンフランキーの逃げ。スタート直後に躓いて危なかったが、外枠から先手を取りに行ったので前半3ハロンが33秒9の短距離戦並みのハイラップを刻んだ。これは、1997年のGⅠ昇格後の28年間で2番目タイの速さで、ドンフランキーの単騎逃げならそれほど問題はなかったが、それに追随してしまい前に行った馬たちには厳しい流れ。その中にウィルソンテソーロがいたのは不運だった。しかも、2番手からの競馬で直線後半で伸びを欠き8着に終わった。ウィルソンテソーロはパドックでは問題なかったが、ジョッキーが騎乗して本馬場へ向かう地下馬道から激しく発汗。返し馬からスタート前の輪乗りでも収まらず、状態面に疑問があった可能性がある。松山騎手のテン乗りに加えて、最終追い切りも坂路からウッドに変えるなど不安点はあったが、普通に走れば大丈夫との認識があっただけに、展開が向かなかったとはいえ、これほど負けるのは想定外だった。


勝ったペプチドナイルもウィルソンテソーロと併走して決して楽な位置ではなかったが、3角で一旦下げた鞍上の好判断。どこからでも動けるように外を回しながら直線の手応えも十分で、残り400を切った辺りから追い出すと末脚を伸ばして残り200で先頭に立ち、そのまま押し切った。

 ペプチドナイルは、2走前のリステッドで斤量59kgを背負ってVラインで上がり最速の勝利という強い競馬を見せていた。前走の東海ステークスは6着だったが、2着のオメガギネスとは0秒3差と差がなく、関西馬でありながら東京コースとの相性も良かった。気になる馬ではあったが拾えなかったのは残念。たとえ拾えても的中しなかったのだが(苦笑)、馬体も絞れて人気の盲点だった。


ガイアフォースは、昨年の天皇賞・秋で5ハロン57秒5のハイペースを番手から粘って5着になったように、厳しい流れが合うのだろう。それはダートでも関係なかったと結論付けるしかない。母は南関東競馬で重賞5勝を挙げ、母父クロフネは説明不要のダートの怪物。血統的にダートを走れる下地はあったとはいえ、初ダートでGⅠ2着は史上初。ここまで走るのだから馬を褒めるしかない。

 鞍上の長岡騎手と杉山晴厩舎とのタッグは、20年のフェブラリーSで最低人気のケイティブレイブで2着に激走して、続くかしわ記念でも2着になり相性の良さがあった。選択肢が広がった今後も注目だ。


掲示板の5頭のうち4頭が前走から同じ騎手の騎乗だった。3着のセキフウもそうだったが、鞍上の武豊騎手は、セキフウにテン乗りだった昨年のエルムステークスで勝利に導いた。レースの格は違うが、テン乗りで勝つには、これぐらいの名手でなければダメだという証明でもあり、今回のテン乗り馬の成績は[0.1.0.4]。2着のガイアフォースにしても勝てなかったのを見ると、テン乗りでGⅠを勝つことがいかに難しいかを感じるレースでもあった。


オメガギネスの敗因は「GⅠの壁」と言ってしまえばそれまでだが、スタート後の芝からダートに替わるところで内のドゥラエレーデの斜行を受ける不利(この場面は、ジョッキーカメラでルメールが大きな声を上げている)。直線でも狭いところで揉まれて馬が戦意喪失した印象だった。ドゥラエレーデの鞍上のムルザバエフは積極的に前を取りに行く時に、今回のような強引な騎乗がある。過怠金(30,000円)を取られたように、十分な後方確認もしないのだろう。今後も何かやらかしそうな騎手だがw、オメガギネスは前走同様、テンションが高めで気性面の問題もありそう。今後は気性面の成長がないと、重賞では勝ち切れずのレースが続くかも知れない。


レースが終わって気付いたことがある。それは、1〜3着馬は、過去にルメールが騎乗していたという点。16頭の中での該当馬は、この3頭のみ。ルメールが乗るということは、厩舎の期待馬でもあるわけで、そこに注目していたら153万馬券をゲットできたかも知れない?(苦笑)


兎にも角にも、今年は実績上位馬がまとめて不在だった年。イレギュラーな年として、来年以降のデータからは除外した方が良さそうだ。