8216☆重賞レース回顧〜アメリカJCC・東海ステークス〜 | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.7

8216☆重賞レース回顧〜アメリカJCC・東海ステークス〜

曇り・不良馬場で行われた、第65回「アメリカジョッキークラブカップ」(GⅡ)は、3番人気のチャックネイトが重賞初勝利。2着2番人気ボッケリーニ、3着5番人気クロミナンス。1番人気のマイネルウィルトスは5着。



前日からの雨で芝は泥んこの不良馬場。前半3ハロンが37秒1、5ハロン62秒2のスローで、上がり3ハロンが37秒8もかかる馬場。勝ったチャックネイトの上がり3ハロンが37秒6で、上がり最速のモリアーナ(4着)でも36秒9。ダート以上にパワーを要する馬場となった。このような馬場では後方からでは届かず、かと言って外を回してはスタミナを削がれる。チャックネイトが3番手外めの“グリーンベルト”を取った時点で勝ち負けが確定していたとも言えた。


(レースラップ)

12.8―11.7―12.6―12.5―12.6―12.3―12.2―12.1―12.2―12.5―13.1(2:16.6不良)


レース映像からもスローに見えたが、ラスト1ハロンが最遅ラップというのを見ても特殊な馬場だったのがわかる。残り6ハロンから加速して先行馬には苦しい流れだったが、チャックネイトも4角から鞭が入り厳しく映ったものの、外からボッケリーニが並びかけると併走状態で末脚を伸ばした。着差は僅かハナ差だったが、最後まで保たせたのは鞍上の腕。反応が遅い馬で仕掛けのタイミングがもう少し早ければ着差も広がったと思うが、追える外国人騎手との相性の良さも加わっての勝利となった。

 JRA重賞を女性ジョッキーが制したのは、2022年CBC賞の今村聖奈騎手以来、2年ぶり。外国人女性騎手の重賞勝利は、02年中山大障害のロシェル・ロケット騎手以来22年ぶりで、平地重賞では史上初の快挙となった。


ボッケリーニは5〜6番手の外ポジション。位置取りは悪くなかったが、こちらも4角から早めに鞭が入った。それでも直線外から伸びてゴール手前で先頭に出たが勝ち馬に差し返された。これで全29戦中11回目の2着で3戦連続の2着。勝ち切れないイメージがあるが、馬場条件が向いても勝てなかったのだから、来年以降も8歳以上馬は頭から買えないデータは継続した。

 クロミナンスは初距離で4角から手応えが怪しかったが直線で伸びて粘り腰を見せた。鞍上の腕もあったと思うが力を付けている。

 マイネルウィルトスは、逃げの手に出たのが裏目となった。馬場を考えたら先行策だったが、逃げたのは約3年5か月ぶり。さすがに馬も戸惑ったろう。今回は参考外にできる。



曇り・重馬場で行われた、第41回「東海ステークス」(GⅡ)は、2番人気のウィリアムバローズが念願の重賞初勝利。2着1番人気オメガギネス、3着4番人気ヴィクティファルス。



レースは予想通りにバビットの逃げ。前半3ハロン36秒5、5ハロン通過が61秒1で上がり3ハロンが36秒0の後傾ラップ。道中2番手から勝負どころで先頭に躍り出たウィリアムバローズにとって、重馬場でこの流れでは脚は止まらなかった。


(レースラップ)

12.2―11.8―12.5―12.4―12.2―12.1―12.2―11.7―12.1(1:49.2重)


勝ち時計は速かったが、馬場を考えたら想定内。レース自体はあまり速くはなく、何よりも前半で12.5―12.4が入る流れは、明らかな前有利な展開。後ろからでは厳しく、ラスト4ハロンから加速してもウィリアムバローズは最後までタレなかった。優先出走権を得たフェブラリーステークスは、初めての東京でマイルも初めて。未知との戦いになるが、今回の勝利で期待値も上がるだろう。

 ミッキーアイル産駒はJRA重賞12勝目。牡馬としては初めての重賞勝利となった。


オメガギネスは、序盤で抑えられて掛かる仕草。道中は3番手に付けたが口を割りながら走っていた。これが久々の影響なのか、初めての関西遠征の影響なのかはわからないが、それでも2着を確保してデビューから5戦連続の連対となった。馬体重も5戦すべて494kgという珍(?)記録。遠征でも馬体が減らないのは特筆ものだが、成長力に関してはどうなのかという点はある。東京マイルに替わっての逆転はあるだろう。


ヴィクティファルスはスタートを決めて先行。内で砂を被っても大丈夫だったし、直線で外から飲み込まれそうになっても伸び脚を見せた。ダート重賞でもやれる手応えを掴んだのは収穫だ。



予想は2レースとも的中。回収率は、アメリカJCCは320.6%で東海Sは112.0%。両レースともプラス回収だった。個人的には、アメリカJCCの3連単も的中して満足のいく結果となった。👍