8203☆正月競馬の結果 | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.7

8203☆正月競馬の結果

今年もJRAの正月競馬が終了。各重賞レースを振り返ってみよう。


共に晴れ・良馬場で行われた東西金杯は、中山金杯をリカンカブールが、京都金杯をコレペティトールがそれぞれ制した。

 中山金杯は、5番人気のリカンカブールが4番手の内から直線で抜け出して重賞初勝利。着差は半馬身だったが、好位追走から直線で外に持ち出して差し切る強い競馬を見せた。昨年は3戦と数は少なかったが2勝。前走のチャレンジカップも7着とはいえ、太め残りの馬体で上がり3ハロンは勝ち馬と同じ脚を使って着差も0秒5。スタートで躓かなければもっと上の着順だったろう。セオリー通りに4歳で成長して明け5歳での重賞初勝利だった。馬体が絞れたのも良かった印象。勝ち時計1分58秒9は、過去2番目に速いタイム。後半5ハロンはすべて11秒台のラップで、外を回した馬たちには厳しい流れだったことには注意したい。

 父は「幻のダービー馬」シルバーステートでリカンカブールは初年度産駒。個人的にもディープインパクトの後継種牡馬はこの馬だと、3年前の種牡馬デビューからブログでも注目してきたが、これからもシルバーステート産駒は大いに注目だ。


本命に推したアラタ(13着)は、1角で挟まれてラチにぶつかる大きな不利。あれで終わった。今回はノーカウントの競馬で馬にダメージがなければ次走以降も注目してみたい。



京都金杯は、8番人気のコレペティトールが中団内から直線でも内を突いての勝利。“イン突きの岩田父”の真骨頂だった。この馬も重賞初勝利。

 京都外回りは改修前ほどではないが、直線で内が空く。ドルチェモアが京都金杯史上最速の前半3ハロン33秒7で飛ばず展開で2番手と3番手に付けていた2着セッション、3着トゥードジボンには絶好の流れだったが、その後ろで内を狙っていた岩田父の目論見通りの結果となった。

 4着アヴェラーレ、5着フリームファクシは共に8枠。不利な枠から最後は詰めていたので、枠順次第で着順も変わっていた可能性があった。次走要注意。

 因みに、2着セッションの父もシルバーステート。やはり、今年はシルバーステートに大注目だ。



曇り・良馬場で行われたフェアリーステークスは、5番人気のイフェイオンが2連勝で重賞初勝利。

 レースは、スタートで3番人気のテリオスサラが立ち上がり大きく出遅れて波乱含みの展開。前半3ハロンが34秒7で上がり3ハロンが35秒1。数字的には前傾ラップだったが、中盤が緩んで上がり3ハロンは12.3→12.2―11.5―11.4の加速ラップでラスト2ハロンの瞬発力勝負。例年のスタミナ戦とは違う内容で、デビュー戦から連続最速上がりだったイフェイオンにとっては願ってもない流れ。上手く好位を取って直線の叩き合いを制した。

 鞍上の西村淳騎手は「フェアリーSに行けば絶対に勝てる」と、杉山佳調教師に豪語していたという。なんとも強気な言葉だが、その見立て通りに勝利した。この馬の力を信じていたのだろう。


6番人気のマスクオールウィンが2着。距離が嫌われての人気だったが、予想通りに好走してくれた。改めて、あの新馬戦の直線は何だったのか?という疑問が湧いたが(笑)、スタートで出遅れながらもメンバー中、唯一の上がり33秒台の末脚を発揮。今回も少し力んではいたが賞金も加算できたので、余裕あるローテーションが組めるのは、気性面に良い作用がありそうだ。


1番人気のスティールブルーは4着。鞍上のルメールは「残念ながら後ろすぎた」とコメント。正にその通りで、今回は流れも向かなかった。



晴れ・良馬場だったシンザン記念は、3番人気のノーブルロジャーが新馬戦に続く連勝で重賞初勝利。2着は1番人気のエコロブルームだったが、3着にブービー人気のウォーターリヒトが入り波乱となった。


レースを二分割した前半4ハロンが46秒4、後半4ハロンが48秒1。前後差1秒7の前傾ラップだったが、今開催の重い京都の芝でのこのラップは、相当にタフな消耗戦。スムーズに外め追走の馬が好結果を出した。

 勝ったノーブルロジャーは中団から徐々に外に持ち出して4角は外から2頭目。そこから馬場のいい直線外を伸びた。道中は、鞍上の川田騎手が促したり、手綱を引っ張ったりと、かなり乗り難しい印象の馬。レース後のコメントでも「なかなか大変なところもありましたが能力の高さを見せてくれました」(抜粋)と、簡単ではなかったことを口にした。

 これでクラシック路線には乗ったが、気性的にはマイル前後がベストかも知れない。同じパレスマリス産駒のジャンタルマンタルが朝日杯フューチュリティステークスを勝ったように、距離延びてどうかという課題は残ったような気はする。


エコロブルームは5番手の中ポジション。ペースを考えれば決して楽なポジションではなく、直線でも前が壁になりそうな場面があったが、進路が出来てから伸びての2着。初めての遠征&右回りで結果を出して能力の高さを見せた。マイルがベストの印象なので目標はNHKマイルカップか?


波乱の立役者となったウォーターリヒトは、2000mばかりを使ってきたので序盤は速い流れに乗れず。ただ、逆に脚が溜まる形となり、上がり最速35秒2の末脚につながった。タフな流れも中距離経験が活きた印象。


ラーンザロープスは、先行4番手のイン追走から、直線ゴール前までは2着もあった競馬で見せ場たっぷりの4着。通ったコースを考えたら負けて強しの走りだった。前走のように後方からの競馬だったらウォーターリヒトのように差せたかも知れないが、フルゲートの後ろからでは脚を余す可能性があった。先行した分、末脚は鈍ったが次につながるいい競馬だった。



予想は4レース中、シンザン記念の単勝と馬連のみの的中で回収率17.9%。新年早々、ボウズは免れたが残念な結果だった。

 印的には、中山金杯リカンカブール▲、京都金杯セッション◎、フェアリーSマスクオールウィン▲、シンザン記念ノーブルロジャー◎で内容は良かったと思っているので、馬券の買い方が間違っていたのだと、自らに言い聞かせたのだった(苦笑)。