6146◎東京優駿(日本ダービー) | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.6

6146◎東京優駿(日本ダービー)

ダービーの格言のひとつに、こんなものがある。
「ダービーは芝2000m巧者が勝ちやすいレース」
マイルでもなく、12ハロンのダービーディスタンスでもなく、10ハロンに強い馬が勝つレースだと。昨年のダービー馬レイデオロも、ダービーまでに芝10ハロンばかり走り4戦3勝。負けた一戦も皐月賞の0秒4差5着で高い適性を示していた。
今年の出走馬で芝10ハロン巧者はジェネラーレウーノ。芝10ハロンは4戦3勝で皐月賞は0秒6差3着。戦績はレイデオロに似ている。
その皐月賞はハイペースで飛ばしての3着で負けて強しの競馬。今週からCコースに替わった芝は前残りが目立つので再度の好走も可能。戦績も全5戦4着以下がなく堅実。外枠がネックだがマークは必要だろう。

今年の皐月賞は馬群が分断される異質な展開だった。5着に敗れたキタノコマンドールのミルコも「変な競馬になった」と表現。馬場も悪かった。
そもそも断然の主役だったダノンプレミアムが不在だったレース。あの結果がそのまま反映されるとは限らないし、むしろ皐月賞は度外視して皐月賞組以外の馬から入るのも間違いではないだろう。

ブラストワンピースは背腰に疲れが出やすいので間隔を空けた。1回レースを使うと回復までに2カ月は必要だという。昨年11月の新馬戦を勝ち2カ月半後のゆりかもめ賞を勝った時点で最大目標をダービーに設定。ダービーから逆算して3月の毎日杯を使った。
毎日杯からのローテーションは異例だが陣営はベストの形と強調。むしろ賞金加算が絶対だった毎日杯の方が厳しかったという。賞金加算ができなければダービーは諦める方針だったからだ。
毎日杯後は、恒例となったノーザンファーム天栄で短期放牧。同じように調整された同門のシルクRのアーモンドアイが桜花賞を勝ち、ムードは間違いなくある。
ラスト4ハロンから加速ラップだったゆりかもめ賞で余裕の差し切り勝ちは価値が高く、父ハービンジャーに母父キンカメは昨年のオークス2着モズカッチャンと同じ。血統面でも後押しがある。厳しい流れを経験していない点はマイナスだが、3戦の内容を見ればそれも小さな不安でしかない。

前売り1番人気のダノンプレミアムも間隔を空けてレースを使ってきた。挫石で皐月賞を回避したのは残念だったが、異物を踏んで蹄を痛めたのではなく、走っていた時に前肢と後肢がぶつかったもの。ケガの程度は軽微で予防対策もしての調整は順調だ。
好位から速い脚が使えるスタイルは、近年のダービーでは頼りになる。弥生賞では無敗のワグネリアンをノーステッキで問題にせず、世代ナンバーワンの評価は変わらない。
調整過程も1週前にビッシリ追って当週は息を整える程度は前回の休み明けと同じ。それでもCWでラスト1ハロン11秒3を記録した。体調は万全だろう。距離に一抹の不安がある点と、レースを重ねるごとにテンションが高くなっているのは不安材料だ。


皐月賞組の検討に入ろう。
1番人気だったワグネリアンは、グリップの利かない馬場が向かなかったし最後はあまり無理をしていない。最終追い切りも、およそGIとは思えない軽い調整だったし負けたのも納得がいく。
中京のデビュー戦で上がり32秒6の中京レコードを叩き出したポテンシャルと、東スポ杯で見せた加速力は良馬場でこそ。左回りも負けなしだが、外枠と鞍上が不安材料だ。

2番人気だったステルヴィオは、実質スローの流れで後方からの競馬では厳しかった。テンションも高かったし今回も気性面の不安がある。
ルメールが手放さないのは大きなプラス材料で、オークスに続いてのロードカナロア産駒の優勝もあるかも知れないが、やはり外枠は減点。
中間はブラストワンピースと同じノーザンファーム天栄での調整だったが、減った馬体の回復を見ながらの調整だったという。順調だったブラストワンピースと比較すると割り引きだ。

3番人気だったキタノコマンドールは、外を回らされて直線だけの競馬で5着。昨年までだったらダービーに出走するには、皐月とダービーの間にもう1走挟む必要があったがそれがないのは大きい。運も味方している。
中間はウッド3頭併せだった1週前追い切りで遅れた。今週は坂路で単走。前走は最終追いもCWだった。脚元と相談しながらの調整は不安が残る。

5番人気だったオウケンムーンは、出遅れて直線も荒れたインを通って終戦。巻き返しの余地はある。
陣営も以前からスタミナと操縦性の高さが武器で距離が延びるほどいいという見立て。千八の共同通信杯を勝ったことすら意外だったという。左回りは新潟でレコード勝ちもありパフォーマンスが上がる。枠も中枠で軽視は禁物だ。

10番人気と人気を落としていたグレイルは、共同通信杯からの立ち上げに時間がかかり何とか間に合ったという調整だった。今回の状態は数段上で良化度合いは大きい。
皐月賞は出遅れたが直線はいい脚を使った。元々ダービー狙いのローテーションであり、当ブログでも引き続き岩田が乗れば面白いと思っていた馬。最終追い切りもCWでダノンプレミアムと同じラスト11秒3。体調は万全だ。

悲願のダービー制覇を目指す蛯名のゴーフォザサミットが穴。
追い切りは馬なりだったが、鞍上が何もしなくてもずっと加速していく走りを見せた。東京コースで2勝を挙げていて乗り替わりがないのは、この馬とブラストワンピースだけだ。

ステイゴールド産駒が2頭いるが、産駒は15年生まれの現3歳世代が実質的な最後のダービー。(16年に1頭だけ牝馬が生まれている)
エタリオウとステイフーリッシュは能力はあるが2頭とも乗り替わり。ダービーでの乗り替わりは大きなマイナスなので厳しそうだ。



【結論】
◎ブラストワンピース
○ダノンプレミアム
▲ワグネリアン
☆ジェネラーレウーノ
注オウケンムーン
△ゴーフォザサミット
△グレイル

出走馬の中で3連勝を経験しているのが印をつけた上位5頭。3連勝はなかなか難しく、5頭全てが3連勝の中に芝2000m以上勝ちを含んでいる。成績と距離実績を重視して馬券を組み立ててみたい。

ブラストワンピースの単複
馬連◎ながし
3連複◎1頭軸ながし。