5771◎優駿牝馬〜オークス〜 | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.6

5771◎優駿牝馬〜オークス〜

アパパネとサンテミリオンのGI史上初の1着同着から7年。
当時、ホリプロ大阪のイベントで京都競馬場のモニターで観戦していたのが懐かしい。京都も雨だった。もう7年か。
「競馬戦隊8レンジャー」w










7年前は稍重発表以上に悪い馬場で時計も過去10年で最遅タイム。今年も雨が降れば3週連続の波乱もと思ったが、ゲリラ的な雨はあったものの好天が続いて絶好の良馬場になったのは何より。

まずは、桜花賞から振り返ってみる。
勝ったレーヌミノルは距離不安を一掃する勝利。稍重馬場が味方したとも言えるが、個人的にはこの馬に対する見方を変えたレースになった。
この馬を振り返ってみると、元々デビュー前からオークスを意識した調教をしていたらしく、陣営はデビュー戦が1200というのが逆に不安だったという。
そのデビュー戦は好位から抜け出す快勝。2戦目の小倉2歳Sは6馬身差の圧勝で、血統からも短距離からマイルという評価が定まってしまった感があったけど、地力の高さだけで距離をこなしたという見方もできた。まるで、デビューから1200ばかり走って3冠馬になったナリタブライアンのように。そして、この馬も1冠を奪取。
今回も血統や走りからは、さすがに2400は厳しいのではといった評価が並ぶ。しかし、過去の桜花賞馬の中にも距離不安と言われて好走した馬は多い。距離2400自体が1頭を除いて全馬が未経験。どの馬も未知の領域であり、桜花賞からたった1ヶ月半で力関係がガラリと変わらないのは過去の結果からも明らかだ。
桜花賞が阪神外回りで施行されるようになった07年以降でオークスに出走した桜花賞馬の成績は(3.1.1.3)。着外の3頭中2頭が4着で、大敗したのは一昨年10着のレッツゴードンキだけ。桜花賞馬は強いことがわかる数字。
レーヌミノルはダービーのクラシック登録も済ませていた。牝馬で登録したのはソウルスターリング、ファンディーナ、そしてレーヌミノルの3頭だけ。デビュー前から期待が大きかったことを示すエピソードだ。
レーヌミノルは折り合いと操縦性に優れている。これは同じように血統面で長距離が不安視されたキタサンブラックと似ている。
折り合いに不安がないのは有利。鞍上も2年連続制覇に向けて燃えているだろう。

2着のリスグラシューは6戦すべて3着以内で複勝率100%。どんな条件でも4着以下に落ちないのは強い証。中身もGI2着2回にアルテミスS勝ちで評価を下げる理由がない。桜花賞2着馬は後述するが桜花賞馬より好走している。
全6戦で上がり最速が3回、2位1回、3位タイ1回。道悪の桜花賞でも4位の脚で坂を上りきってからも伸びて2着なのだから、良馬場なら末脚が鈍ることは考え難い。左回りのハーツクライ産駒でもあり、ユタカも96年のエアグルーヴ以来の勝利に虎視眈々だ。

3着のソウルスターリングは評価が難しくなった。
元々、桜花賞までは鉄板と見ていたが、道悪が影響したとはいえ、まさかの3着。今回は巻き返す余地はあるものの、一度ケチがついた馬には手を出さないのがこの世界の常識。これは12着に敗れたアドマイヤミヤビも同様。無印にはできないが頭からは買い辛くなったのは確かだろう。マイラーだった父の影響が強く出ていると見ることもできるだけに。
SSの血を持たないのも、究極の瞬発力比べになった場合には不利。


過去5年の桜花賞組のデータを見てみる。
1着馬 ①④②⑩不
2着馬 ②⑰不③①
3着馬 ④⑪①⑯⑪
4着以下 (1.1.0.40)
2着馬が好成績。

1~3着馬(3.2.1.7)
4着以下馬(1.1.0.40)
基本的に桜花賞4着以下からの一変は難しい。

(桜花賞1着馬)
桜花賞前に重賞を勝っていた12年ジェンティルドンナ、14年ハープスターは①②着、桜花賞が重賞初勝利だった13年アユサンは④着、15年レッツゴードンキは⑩着に終わっている。
今年のレーヌミノルは小倉2歳S勝ち。連対資格あり。

(桜花賞2着馬)
12年2着ヴィルシーナはクイーンC勝ち馬で東京コース実績があった。15年3着クルミナルはデビュー2連勝でOPのエルフィンS勝ち。16年1着シンハライトはデビュー3連勝でチューリップ賞勝ち。
17着に敗れた13年レッドオーヴァルは未勝利・OPの連勝経験はあったがデビュー戦は負けており、デビュー戦勝ちでコース実績か高レベルの連勝経験馬なら狙える。
今年2着のリスグラシューはデビュー戦は2着だがアルテミスS勝ちでコース実績あり。

(桜花賞3着馬)
勝った14年ヌーヴォレコルトは関東馬。12年ハナ差4着のアイムユアーズも関東馬。二桁着順に負けた3頭は関西馬。取捨選択はわかりやすい。
今年3着のソウルスターリングは関東馬。

(4着以下馬)
勝ったのは13年メイショウマンボ、2着は15年ルージュバックだが、2頭とも桜花賞前に既に重賞を勝っていた。今年の4着以下馬で桜花賞前に重賞勝ちがあるのはアドマイヤミヤビだけ。
メイショウマンボは10着からの巻き返し。ただし、この年の桜花賞を勝ったのは7番人気のアユサン(オークス4着)。ルージュバックの年も勝ったのは5番人気のレッツゴードンキ(オークス10着)で共に桜花賞は荒れた。桜花賞で1・2番人気が勝った12、14年は4着以下の馬がオークスで好走していない。16年の桜花賞は3番人気ジュエラーが勝ったが、オークスの2着3着は別路線組で桜花賞4着以下馬は好走できなかった。つまり桜花賞が順当決着ならオークスで穴馬の出番はない。
今年は8番人気のレーヌミノルが勝ったので桜花賞4着以下からの巻き返しは可能になる。


フローラS組はどうか。
フローラS組は過去10年でも優勝例なし。勝ったのは01年のレディパステルまで遡る。レディパステルはデザーモがフローラSから継続騎乗で勝った。外国人騎手なら買えるとも言える。フローラS組は買うなら2着・3着付けで十分だろう。


種牡馬に目を向けると、今年はディープインパクト産駒が2頭だけでハーツクライ産駒が6頭。「逆転現象」とも言える状況下でハーツ産駒狙いは有効だが、やはり基本はディープ産駒。終わってみればやっぱりディープだったというオチもあるかも知れない。
フローレスマジックはリスグラシューと同じく複勝率100%。複勝率100%はソウルスターリングを加えた3頭だけだ。
アルテミスSは最速上がりでリスグラシューに半馬身差の2着。3着以下は3馬身半も千切っていて、力はリスグラシューに負けず劣らずと見ていい。
休み明け2戦が物足りないが走り頃の叩き3戦目。鞍上は過去5年で2着3回の戸崎。姉のラキシスはエリザベス女王杯を勝ちジェンティルドンナが勝った有馬記念でも僅差6着。距離は持つ。

穴ならモーヴサファイア。
デビュー戦からすべて牡馬相手と戦ってきた唯一の馬。休み明けになるが栗東ウッドで終い重点ながらラスト11秒7。左回りのデビュー戦は最速上がりで勝っていて、人気はないが押さえておいて損はない。



【結論】
◎リスグラシュー
○レーヌミノル
▲ソウルスターリング
☆フローレスマジック
△アドマイヤミヤビ
△モーヴサファイア

リスグラシューの単勝
馬連◎ながし
3連複フォーメーション
◎―○▲☆△△―○▲☆△△
3連単フォーメーション
◎→○▲☆→○▲☆△△