サンチョ・パンサのブログ

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中国で2歳児がひき逃げされたが、通行人が誰も助けなかったというニュースが流れた。
当の中国でも批判が相次いでいるという。

2歳児がひき逃げ 18人が隣を素通り 中国
http://www.youtube.com/watch?v=cJs_DyplYKE

結局、2歳の女の子は亡くなったらしい。
この問題を「中国はモラルが低い」という一言で決めつけてしまうことはたやすいが、
本当に中国だけの問題なのだろうか?実は一足先にアメリカでも同じようなことが話題になった。
キティ・ジェノヴィーズ事件では、キティさんが暴漢に襲われて少なくとも38人がそれをみていたが、
誰も警察に通報しなかったという。

38人の沈黙の目撃者
http://book.asahi.com/review/TKY201107050184.html

アメリカの心理学者が指摘した通り、傍観者効果というのは納得がいく。
誰かに関われば面倒くさいことに巻き込まれる可能性はある。無関心が一番楽なのだ。
実際に中国で倒れた高齢者を助けないのは「助けた後が怖いから」だという。


「倒れた高齢者を助けないのは、後が怖いから」中国
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1019&f=national_1019_112.shtml
「助けた老人から『突き飛ばされた』と訴えられる 彭宇事件」
http://news.livedoor.com/article/detail/4555378/」


私は中国やアメリカだけの問題ではないと思う。日本でも同じなのだ。
そういうと、「さすがに倒れた老人は助けるでしょ?」という反論が来そうだ。
確かに、道で倒れている人は起こすかもしれないが、その他ではどうだろうか?
例えばモンスター・ペアレンツなどモンスター・ピープルの問題。
かつては、コミュニティの中で自浄作用は少なからずあった。
村の会合やPTAの集まりで、誰かが自分本位の発言をしようものなら、
「なに自分の利益のことばかり話してるんだ。バカじゃないのか。いい加減に黙れ」と
指摘してくれる人がいた。そして、大半がその意見を指示していたのだ。
その自浄作用が薄れてきている。モンスター・ピープルの意見がでて、おかしいと思っても、
「後が怖いから」指摘しない、「面倒な人に関わりたくない」からおかしいとも言わない。
みんながそう思うから黙ってしまう。だからモンスターの意見が通ってしまう。
道理が引っ込むから無理が通るのだ。

その原因はリーダーの不在とSilent Majorityの増加だ。
自浄作用が働きすぎてリーダーをいたずらに叩きすぎたために誰も音頭を取りたがらなくなり、
面倒に関わりたくないからとの理由でSilent Majorityが増えてしまったのだ。
日本の状況は、中国のひき逃げと何ら変わりはない。

私もかつてひどいいじめにあった。最も厳しいのは、率先していじめるやつではなく、
おかしいことを黙認しているSilent Majorityだ。「ただなんとなく」とモンスターに従い、
罪悪感もなく無視をし続ける大多数の仕打ちがこたえる。
ひき逃げした車はモンスターだとして、素通りしたSilent Majorityがいなければ、
もしかしたら女の子は助かったかもしれない。Silent Majorityが世の中をゆがませているのだ。

という話を大学で講義した。学生たちに「誰も助けてくれない社会に本当にいたいか?」と問うた。
成毛眞さんの「日本人の9割に英語いらない」にも書いてあったが、モラルの低い中高年に
今さら働きかけてもムダだと思う。肝心なのはいつも柔軟な心を持つ若い世代だ。
今のところ学生たちは相変わらず沈黙しているが、彼らの心に火をつけたい。