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これは実際にあった心理学実験です。
だから、その再現VTRのようなもの。
でも、映画を見た後はとても気分が悪く、何の救いも無い。
撮影後に主演の女優さんが自殺してしまった韓国映画『スカーレットレター』を見て以来の、後味の悪さ。
ただ、これが本当にあったことだと思うと、余計に嫌な気分。
でも、監督はそれをただ撮ろうと思っただけだから、その点はスカーレットレターよりもまだましなのかもしれない。
es。
ドイツ語で「it」をさす言葉。
人間は何処まで残酷になれるのか。
ヒットラー政権の大虐殺の事実を知った世界は、その惨状の理由を知ろうとした。
ある人は異常者の行為として。
ある人は煽動したナチス指導者にその責任を見た。
しかし、ある人たちは、私たちもそうなりうるとして、全体主義の構造や集団心理を研究した。
そこである仮説を立てた1人の心理学者がいた。
人間はある「役割」を与えられると、だれしもがその役に相応しい振る舞いをするようになると。
ナチスの幹部は、ガス室の執行人は、大きな「権威」によって「役割」を割り振られていたのではないか。
そこでそれを実証しようとし、実験をすることにした。
ごく普通の一般人の協力者を集め、まったくアットランダムに役割を割りふる。
あるものは「看守」あるものは「囚人」。
そして数週間、集団生活をさせるのだ。
それが運命の分かれ道になるとも知れず。
…そんな話し。
実際にあった心理学実験で、それを映像に表わしたもの。
この人間にまつわる事実をどのような形であれ知っておくべきではあると思う。
でも映画で見るべきかはわからない。
吐き気を催すほどのリアルさこそ、たぶん監督の狙いかも知れない。
この作品の評価はひくくしたけれど、ジャーナリスティックな視点では重要な作品だし、映画的には「いい作品」なはず。
ただ、心臓の悪い人は見ない方がいいかもねー。うん。
ちなみに、心理学の諸実験にはけっこう面白いのが揃ってる。
一人間として、知っておいた方がいいものもたくさんある。
大学の教養課程で勉強した人はいいけど、一応読みやすい本をあげときます。
ドキュメント小説仕立てて読みやすく、しかも近年の心理学実験の基本をしっかり抑えてある良書。
しかも、おもしろい。
↓
心は実験できるか―20世紀心理学実験物語/ローレン スレイター
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