「SG・ボートレースクラシック」(22日、平和島ボート)

 1号艇で人気を背負った

吉川元浩(47)=兵庫・79期・A1=が、

エース13号機のパワーを遺憾なく発揮してイン逃げで圧倒。

西島義則(1997、98年)に次ぐ

史上2人目のクラシック連覇を達成して、

優勝賞金3900万円を獲得した。

SG優勝は昨年5月オールスター(福岡)以来で4回目。

2着は2周1Mを先取りした吉川昭男、3着は坂口周だった。

(デイリースポーツ)

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 エース13号機を完璧に仕上げ、

コンマ09の全速Sで他を寄せ付けない完勝劇だった。

ゴールの瞬間、吉川は深々と一礼。

ウイニングランでは、誰もいないスタンドへ向けて、

大きく手を振った。

誰かが見てくれている。その先へ向かって…。

 インタビュールームでの記者会見。

「珍しくエース機を引いて、

後押ししてくれる何かがあるな、と…」と語り始めたが、

こみ上げるものを抑えきれなくなった。

「いろいろあったので…。いい報告ができた」。

涙をぬぐいながら言葉を絞り出す。

思い浮かべていたのは

2月10日の尼崎G1・近畿地区選4日目

9Rの転覆事故で亡くなった松本勝也さん(享年48)だ。

松本さんは吉川より1つ年上。

後輩の活躍を自分のことのように喜び、

昨年のグランプリ前には食事に誘って

壮行会を開いてくれたという。

「実の兄みたいな感じ。本当に優しい先輩。

喜んでくれていると思う」と天国の先輩へ語りかけた。

 昨年はクラシック、オールスターとSG連覇で始まったが、

賞金獲得額は3位に終わった。

「昨年は後半でリズムを落とし、グランプリは悔しかった」。

今年のグランプリ(12月15~20日)は平和島で行われる。

松本さんへの思いも背負って、今年こそ頂点獲りを目指す。