「第34回中日スポーツファルコンS」

(G3・14日・中京・芝1400メートル)は

先行勢を見る形で進んだ

単勝6番人気のシャインガーネット

直線、外から伸びて差し切り、重賞初勝利を挙げた。

田辺裕信騎手(36)は同レース2勝目、

栗田徹調教師(41)は初勝利。

1番人気のラウダシオンが2着、

ヴェスターヴァルトが3着に入った。

【写真】ミシェルのトレーニング姿も美しい

 メンバー最速の末脚で、

静かな桶狭間で急坂を駆け上がった。

外から一気に突き抜けてきたシャインガーネットが、

先に先頭をうかがっていたラウダシオンを差し切り、

1馬身半差をつけた。

完全に伸び勝って初重賞のゴールだ。

 重馬場で3F通過33秒8。

田辺は流れる先団を一歩引いた位置で見て、

じっくり脚をためさせていた。

このコンビでは3戦3勝。

デビュー当初から調教にも乗っていたオルフェーヴル産駒を

完全に手の内に入れている。

「2走前もそうだったし、マーフィーの乗った前走もよく見た。

正攻法で行っちゃうと味がない感じだと思っていた。

道中で頑張っちゃうから」。

デビューから2連勝で重賞初挑戦だったフェアリーSは、

短期免許来日の外国人にスイッチして4着。

手が戻ったタイミングで巻き返し、人馬の絆を印象づけた。

 日曜阪神には同距離のフィリーズレビューがある。

あえて牡馬も相手になる中京を選んだのは

「前走の敗因がつかめていなかったが、

もう一度、左回りの走りを見てみたかったから」と栗田師は言う。

桜花賞出走へはこれで賞金も足りたが

「様子を見て考えます」と慎重だ。

NHKマイルCへの直行も選択肢に入っているのだろう。

 けれど、トレーナーがつかめていないと言う前走の敗因を、

田辺はつかんでいたからこそ、この日の勝ちを引き出した。

ジョッキーはコメントで先手を打つ。

「右回りでもいいと思いますよ。

今日は前の馬が速かったけど、

自分のいた位置には行けました。

だから1600メートルにも対応できる」。

いずれにしてもマイルだが、

桜の舞台を鞍上は明確に脳裏に描いているはずだ。 

 ◆シャインガーネット ▽牝3歳・栗毛

▽父オルフェーヴル、

母ベルベットローブ(母の父ゴーンウエスト)

▽馬主・山口功一郎氏

▽生産者・北海道安平町 ノーザンファーム

▽戦績・4戦3勝、重賞は

2020年中日スポーツ賞ファルコンS・G3(1着賞金3800万円)の

1勝

▽総収得賞金・6125万9000円

▽栗田徹調教師は初勝利、

田辺裕信騎手は16年トウショウドラフタに続き2勝目。