マイルCS一昨年の覇者ペルシアンナイト(牡5、池江)は

マーフィー騎手を背に栗東Cウッドで追い切られ、

この馬らしいシャープな動きを見せた。

 池江師は

「動きは良かった。前走は休み明けだった分、最後は苦しくなった。

使った上積みは大きいと思う」と手応えを感じていた。

昨年のマイルCSも2着とこのレースとの相性は抜群。

「加速するまでに時間がかかるので下り坂を利用でき、直線が長い京都は合う」

と見立てる。

一発の可能性は十分だ。

 

 

 スワンSの覇者ダイアトニック(牡4、安田隆)は栗東坂路で追い切られた。

テンはそれほど速くはなかったが、ラストの伸びは鋭かった。

安田隆師は「先週はじけすぎたので、今週は控えて行こうと。

いい形で(坂路を)上がってきた」と満足そうに振り返った。

 前走で重賞初制覇するなど、今年5戦4勝と躍進してG1に初挑戦する。

父は師が管理したロードカナロア

トレーナーは

「G1ですから甘くないですけど、お父さんに1歩でも2歩でも近づきたいなと思います」

と期待を膨らませた。

 

 

 毎日王冠覇者のダノンキングリー(牡3、萩原)は

美浦ポリトラックコースで抜群の動きを見せた。

【写真】1週前追い切り、ウッドチップで追い切るダノンキングリー

 4角で先行馬に並びかけ、楽々と併入。

ディープインパクト産駒らしいバネの利いた走りで、追えばはじけそうな手応えだ。

萩原師は

「非常にいい動きだったと思います。元気がいいですね。おかげさまで順調にきています」

と仕上がりに納得の表情を見せたが、

「楽しみというよりも責任の部分の方が大きいです」とG1へ向けて気を引き締めていた。

 

 

 プリモシーン(牝4、木村)は美浦ウッドの3頭併せで態勢を整えた。

3頭の真ん中を進み、直線はしっかり追われた。

【写真】坂路コースを駆け上がるプリモシーン

 木村師は

「どんな状況でも集中力を保って走り切れるシチュエーションをつくりました。

(追い切りは)うまくいったなとホッとしています」と内容を説明した。

前走府中牝馬Sは1番人気だったが、まさかの15着。

「馬はもちろん、オーナー、応援してくださってるファンにおわびしたい。

なんとか彼女のプライドを復権させたい」と言葉に力を込めた。

 

 

 レイエンダ(牡4、藤沢和)は美浦ウッドで最終追い切りを行った。

5馬身ほど前に2頭を先行させ、それを目標にしたまま、単走でリズム良く駆け抜けた。

【写真】新潟記念、人気のレイエンダとルメール騎手は10着に敗れ、ガックリと引きあげる

 藤沢和師は

「(指示は)条件馬2頭にゴールしてから近づくくらいでいいよ、と。

レースを使っているし、輸送もあるのでこれで十分。順調にきています」

と仕上がりに自信を見せた。

ダービー馬レイデオロ(来週のジャパンCに出走予定)の全弟という期待馬が初G1。

「早くから期待していたので、G1に出せて喜んでいます」と笑顔を見せた。

 

 

 スワンS3着の5歳馬マイスタイル(牡、昆)は、

栗東に駆けつけた田中勝騎手を背に坂路で単走追い。

 4ハロン55秒9-12秒3の時計を計時した。

1週前にCウッドで長め6ハロンからの追い切りを消化し、この日は感触を確かめる程度。

主戦の鞍上は

「まだ若々しいね。マイルも大丈夫、全然。

(3走前から)ブリンカーを着けてから集中力が増している」と好感触。

軽視できない1頭だ。

 

 

 G1・2勝馬のアルアイン(牡5、池江)は坂路でシロニイ(古馬3勝クラス)と併走。

豪快な走りで首差先着した。タイムは4ハロン52秒5-12秒5。

 「動きは良かった。大型馬らしく前走を使っての上積みもある」

と池江師は状態の良化を実感する。

天皇賞・秋(14着)は強豪相手の上、大外枠と分が悪かった。

「小回りでコーナーが4つという設定がベストだけど、まだ京都のマイルは走りやすい」

と昨年3着の舞台で巻き返しを狙う。

 

 

 タイムトリップ(牡5、菊川)は、前走スワンSで後方から脚を伸ばし4着に好走。

最終追い切りは美浦ウッドで、5ハロン67秒9-12秒8(馬なり)をマークした。

 単走で終始手応え良く、軽快なフットワーク。

黒光りする馬体も目立ち、体調の良さがうかがえる。

菊川師は「間隔が詰まっているが、前走後疲れもなく順調。

寒くなって状態は上向いている。相手は強いが頑張ってもらいたい」

と試金石となる一戦に期待を寄せた。

 

 

 富士S7着から挑むエメラルファイト(牡3、相沢)は石川騎手を背に

美浦ウッドで5ハロン69秒4-13秒0。

アストロブレイク(2歳未勝利)を3馬身追走し、半馬身先着した。

 先週強めに追われたため、今週は馬なりでの調整。

脚取りはさらにパワーアップし、状態は上向いている。

相沢師は「動きはすごくいい。相手は強いがマイルなら差はないと思う」と、

2勝している得意のマイルで一発を狙う。

 

(日刊スポーツ)