天皇陛下の即位に伴うパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」が10日午後行われた。

(時事通信)

 コースとなった皇居から赤坂御所までの沿道には

平成時(約11万7000人)を上回る約11万9000人が集まり、

天皇、皇后両陛下はオープンカーに乗り、笑顔で手を振って応えられた。

【写真】即位を祝うパレード中、目元を押さえられる皇后さま

 両陛下にとって1993年6月の結婚時以来のパレード。

皇后さまが人々の祝福に涙を見せる場面もあった。

 午後3時ごろ、皇居・宮殿の南車寄せで

トヨタのセンチュリーを改造したオープンカーに乗り込み、

宮内庁楽部指揮者の北原幸男さんが新たに作曲した行進曲「令和」の演奏と、

宮内庁と皇宮警察の職員約600人に送られて出発した。

陛下はえんび服姿に大勲位菊花章頸飾などの勲章を着用。

皇后さまは白のロングドレスにティアラ、勲章を着けた。

 車列は約50台で約400メートルに及び、時速約10キロで進んだ。

両陛下の車は白バイやサイドカーを除くと安倍晋三首相らに続き7台目。

後方には秋篠宮ご夫妻らが乗った車が続き、

皇居正門、国会正門前、国立国会図書館前、赤坂見附、青山通りを通って

青山一丁目を右折する約4.6キロのコースを走り、午後3時半ごろ赤坂御所に到着した。

 沿道では警視庁や自衛隊などの音楽隊が、

両陛下の結婚を記念し團伊玖磨さんが作曲した「新・祝典行進曲」を演奏した。

警視庁は全国の警察から応援を得て、最大約2万6000人態勢で、

数メートルおきに警察官を配置する厳重警備を敷いた。

 両陛下はこれで、国事行為である即位の礼の五つの儀式を全て終えた。

 祝賀御列の儀は天皇陛下が即位を宣言する「即位礼正殿の儀」の後に

広く国民に即位を披露し祝福を受ける目的で平成時から始まった。

10月22日の予定を、政府が台風19号被害を受け延期した。

日没時間が早まることを踏まえ、出発時刻は30分早まった。