11月10日の京都11Rで行われた

第44回エリザベス女王杯

(3歳以上オープン、牝馬、GI、芝・2200メートル、定量、

18頭立て、1着賞金=1億500万円)は、

クリストフ・スミヨン騎手騎乗で

3番人気ラッキーライラック(4歳、栗東・松永幹夫厩舎)が、

やや後ろめのポジション取りから、直線は最内を鋭く伸びてV。

秋の女王決定戦で古馬の意地を見せ、

2017年の阪神JF以来、約1年11カ月ぶりのGI2勝目を飾った。

勝ちタイムは2分14秒1(良)。(サンケイスポーツ)

 1馬身1/4差の2着はマイペースの逃げを打ったクロコスミア(7番人気)、

さらにクビ差遅れた3着には

2番手追走も突き抜けられなかったラヴズオンリーユー(1番人気)が入った。

 C・スミヨン騎手

「(今のお気持ちは)以前は自分の体重が重かったりとか

フィジカルの上でベストな状態で乗れることはなかったのですが、

体重もコントロール出来て牝馬にも乗れるようになりました。

自分自身もべストコンディションだったことも確かですが、

もちろん馬も非常にいい状態でした。

調教にも乗ったんですが、

調教に乗った時からいい馬というイメージを持っていました。

(レースは)もう少し前のポジションを取るつもりだったのですが、

思ったよりも後ろのポジションになってしまいました。

ただ前走よりも距離が延びているということもありましたし、

内枠ということもあるので溜めていこうと腹を決めました。

4コーナー前の段階では加速がついたので外を回ろうと一瞬思ったのですが、

パッと内を見たら内ラチが開いていたので、最内を進みました。

この馬に切れる脚がなかったら勝てない競馬でしたので、

そういう意味ではこの馬でよかったです」

 2017年にJRA賞最優秀2歳牝馬を受賞したラッキーライラックは、

デビューから3連勝で2017年の阪神JFを制し、

3歳初戦となったチューリップ賞でも1着となったが、

同レース以降は勝利から遠ざかっており、前走の府中牝馬Sでは3着だった。

今回、フランス中心に活躍する名手C.スミヨン騎手との新コンビで、

チューリップ賞以来約1年8カ月ぶりの勝利、

阪神JF以来約1年11カ月ぶりのGI勝利を挙げた。

 エリザベス女王杯が3歳以上のレースになった1996年以降、

最優秀2歳牝馬の同レース制覇は

1998・99年に連覇したメジロドーベル以来で20年ぶり2頭目。

 また、ラッキーライラックを管理する松永幹夫調教師は、

騎手時代の2000年にエリザベス女王杯(ファレノプシス)を制しており、

同レース史上初の“騎手&調教師”双方制覇となった。

 エリザベス女王杯を勝ったラッキーライラックは、

オルフェーヴル、母ライラックスアンドレース、母の父Flower Alleyという血統。

北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は(有)サンデーレーシング。

通算成績は12戦5勝。

重賞は2017年アルテミスS(GIII)、阪神JF(GI)、18年チューリップ賞(GII)に次いで4勝目。

エリザベス女王杯は松永幹夫調教師、C.スミヨン騎手ともに初優勝。