「キャッツ」「ライオンキング」などのミュージカル公演で知られる

「劇団四季」の創設メンバーの一人で

演出家の浅利慶太(あさり・けいた)さんが13日午後5時33分、

悪性リンパ腫のため東京都内の病院で死去した。(時事通信)

〔写真特集〕演出家・浅利慶太さん

 85歳だった。東京都出身。葬儀は親族で行い、後日お別れの会を開く。

 新劇の劇団「築地小劇場」の創立同人だった浅利鶴雄さんの長男。

劇作家加藤道夫さんに師事し、慶応大在学中の1953年、

日下武史さんらと劇団四季を結成した。

翌年の旗揚げ公演から

フランスのジャン・アヌイとジャン・ジロドゥの作品を中心に上演。

石原慎太郎さん、寺山修司さんらの創作劇などを上演後、

シェークスピアの「ハムレット」など

西欧演劇の古典作品に積極的に取り組んだ。

 70年代に入ると

「アプローズ」「ジーザス・クライスト=スーパースター」「ウェストサイド物語」など、

米ブロードウェーの話題作を次々と翻訳上演。

83年初演の「キャッツ」をはじめ、

「オペラ座の怪人」「美女と野獣」「ライオンキング」などの

ロングラン公演を成功させた。

「ミュージカル 李香蘭」(91年初演)などオリジナル作品も生み出し、

日本におけるミュージカルの観客層を広げた。

 イベントのプロデュースも手掛け、

98年の長野冬季五輪では、大相撲の土俵入りなど

日本の伝統色を強く打ち出した開会式を演出。

中曽根康弘元首相ら政界人とも交友を持った。

 2014年に劇団四季を離れ、翌年、浅利演出事務所を設立。

「オンディーヌ」「ミュージカル 李香蘭」など

四季時代に手掛けた作品の上演を続けた。