NHKは6日、

10月にスタートする次の連続テレビ小説

「べっぴんさん」のヒロインとして、

女優の芳根京子(19)を起用すると発表した。

朝ドラのヒロインのオーディションを受けるのは4回目となる芳根は、

2200人を超える応募者の中から

「いつかなりたかった」と憧れていた主役の座を射止めた。

大阪放送局で行われた記者会見では、

「(合格を)昨日聞いて、まだ不思議な気持ちが止まらない。

選んでいただいたからには120%の力を発揮できるよう、

精いっぱい頑張りたい」と抱負を語った。(時事通信)

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 芳根は東京都出身で、2013年に女優デビュー。

14年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」では、

仲間由紀恵が扮(ふん)した蓮子の娘・宮本富士子を演じた。

昨年は「表参道高校合唱部!」で

名門合唱部の再建に奔走する主人公を熱演し、

映画「先輩と彼女」でもヒロインを務めた。

 NHK朝ドラでは、これまでに

「まれ」「あさが来た」「とと姉ちゃん」のオーディションを受けたというが、

「2次(審査)に1回、行っただけだった」。

昨年、連続ドラマの主役を初めて務めてからは、

「『自分に足りないところはどこだろう?』と考えながら過ごしてきた」そうで、

「今回のオーディションでは自分が意識していない中で、

気持ちに大きな変化があったのかな」と思いを巡らせた。

 「べっぴんさん」は

子供服メーカー「ファミリア」(神戸市)の創業者の1人、

坂野惇子さんをモデルとしつつ、

戦前からの激動の時代を生きた女性たちを描くフィクション。

神戸の裕福な家庭で生まれ育ったヒロイン・坂東すみれは、

太平洋戦争で家や財産を失いながらも裁縫の腕を生かし、

子供服作りに取り組む役どころだ。

 制作統括の三鬼一希チーフ・プロデューサーは、

芳根の起用の理由について

「かわいらしく、愛らしいのと同時に、

心の中に芯があり、真っすぐなところを表現できる人を

(ヒロインに)迎えたいと思っていた」とした上で、

「(芳根には)愛くるしいという言葉がぴったりくる。

外見だけでなく、『一生懸命』の先にあるものを、

オーディションを通じて強く感じた」などと説明した。

 芳根はオーディションの際、

「好きな先輩のために雑巾を縫う」ことを

アドリブで演じるよう指示されたという。

「祖母がお裁縫の先生で、小さい時から教えてもらったりしたので、

『あっ、大丈夫だ』と思った。

でも、緊張していたので、なかなか針に糸が通らなくて焦りました」

と振り返った。

 2日に終了した大阪放送局制作の「あさが来た」は、

関東地区で今世紀最高の視聴率を記録。

ヒロインを務めた波瑠と芳根は、

4回目のオーディションでヒロインの座をつかんだという共通点がある。

これに絡み、芳根は

「もちろんプレッシャーはあるし、

しっかりできるかなという不安もあるけれど、

自分にできることを精いっぱいやっていこうと今、強く思っている。

自分らしさを忘れないで頑張っていきたい」と力を込めた。

 ドラマの撮影は5月に始まり、放送は10月3日から。全151回。

脚本は、ドラマ「ファースト・クラス」や

映画「レインツリーの国」などを手掛けた渡辺千穂さんが担当する。