東日本大震災から11日で5年を迎え、

政府主催の追悼式が東京都千代田区の国立劇場で営まれた。

(時事通信)


 天皇、皇后両陛下、安倍晋三首相ら三権の長、

遺族代表ら約1090人が参列。

震災発生の午後2時46分から1分間、全員で黙とうし、

犠牲者への祈りをささげるとともに、被災地の再生を誓った。


 首相は式辞で、

「被災地に足を運ぶたびに

『まだ災害は続いている』と実感する」としつつも、

「一歩ずつだが復興は確実に前進している」と強調。

その上で「心と体のケア、新たな地域社会の形成、

被災地の産業振興支援などに力を注ぎ、

魅力ある地方創生につながる復興を実現していく」と決意を語った。


 天皇陛下はお言葉で

「困難の中にいる人々一人ひとりが取り残されることなく、

一日も早く普通の生活を取り戻すことができるよう、

これからも国民が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います」

と述べられた。


 岩手、宮城、福島の被災3県の遺族代表も、それぞれの体験を語った。

岩手県宮古市出身の山本永都さん(22)は避難中に祖父を亡くし、

消防団員だった父は今も行方不明となっている。

山本さんは「悔やむ日々が続いた」としながらも、

「父や祖父の分まで精いっぱい生きていこうと思う」と語った。


 両親を亡くした宮城県女川町出身の木村正清さん(52)は

「お父さん、お母さんの死を無駄にすることなく、

微力ながら地域防災に貢献できるよう全力を尽くす」と力を込めた。

福島県大熊町出身の佐久間国幸さん(66)は、

東京電力福島第1原発事故の影響で避難生活が続く中、

「みんなで力を出し合って復興を進めていく」と決意を述べた。