俳優、声優からテレビ・ラジオの司会まで多彩に活躍し、

「キンキン」の愛称で親しまれた

タレントの愛川欽也

(あいかわ・きんや、本名井川敏明=いがわ・としあき)さんが

15日午前5時11分、肺がんのため死去した。

80歳だった。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。

妻はタレントのうつみ宮土理(みどり)さん。(時事通信)


 劇団などを経て1960年代に吹き替え声優として活動後、

ラジオの深夜放送「パック・イン・ミュージック」パーソナリティーとして人気に。

74年からは大橋巨泉さんと共にテレビの深夜番組「11PM」の司会で活躍した。

また菅原文太さん主演の映画「トラック野郎」を企画、

自らも相棒「やもめのジョナサン」役で出演し、

10作を数える人気シリーズとなった。

 「シャボン玉こんにちは」「なるほど! ザ・ワールド」など

テレビ番組の司会の傍ら、映画やドラマにも出演。

「十津川警部シリーズ」の亀井刑事役をはじめ、名脇役として存在感を示した。

 78年にうつみさんと結婚、

芸能界きってのおしどり夫婦「キンキン・ケロンパ」として知られた。

2009年には東京都目黒区に小劇場「キンケロ・シアター」を開設し、

「劇団キンキン塾」を主宰。

近年はインターネット放送などで

ジャーナリスティックな活動にも取り組んでいた。

 1995年から司会を続けた

テレビ東京の「出没! アド街ック天国」を今年3月の放送1000回で降板。

事務所によると、愛川さんは昨冬、体調の不安を訴え、肺がんと判明、

在宅治療を続けていた。

仕事復帰の可能性に懸け、

「息を引き取る直前まで『仕事に行こう』と寝言のように言っていた」という。