全国の書店員が“今いちばん売りたい本”を決める

『2015年本屋大賞』(本屋大賞実行委員会主催)の発表会が

7日、都内で行われ、

上橋菜穂子氏の『鹿の王』(KADOKAWA 角川書店)が大賞に選ばれた。

上橋氏は、

昨年、1994年に受賞したまど・みちお氏以来日本人作家としては2人目となる

国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。(オリコン)

【画像】上橋菜穂子氏から直筆の喜びコメントが到着

 受賞作は未曾有(みぞう)の危機に立ち向かう父と子を描いた長編作品。

上巻の「生き残った者」、下巻「還って行く者」の2巻が刊行されている。

 上橋氏は1989年に『精霊の木』で作家デビュー。

主な著書に『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズや、

「獣の奏者」シリーズなど。

なお、『精霊の守り人』は

2016年より女優・綾瀬はるか主演で

NHKにて「大河ファンタジー」と銘打ちドラマ化が決まっている。

 受賞のトロフィーを手にとった上橋氏は

「本屋さんとは、子どもの頃から一緒に人生を歩んできた。

人生で初めてのアルバイトは書店でした」といい、

「ですので、書店の皆さんが本を読んでくれて、

『面白かった』と投票してくれたのが本当にうれしい」と喜びを語った。

 今年で12回目を迎える同賞。

今回は2013年12月1日から14年11月30日に刊行された

国内のオリジナル小説を対象に実施された。

一次投票では461書店580人の書店員が一人3作品に投票し、

上位10作品をノミネート作品として決定。

その後の286書店より345人による二次投票で大賞が選出された。

 なお、特別企画の翻訳小説部門1位は

『その女アレックス』(著:ピエール・ルメートル、訳:橘明美/文藝春秋)が受賞した。

■2015年本屋大賞 順位一覧
大賞:『鹿の王』上橋菜穂子(KADOKAWA 角川書店)
2位:『サラバ!』西加奈子(小学館)
3位:『ハケンアニメ!』辻村深月(マガジンハウス)
4位:『本屋さんのダイアナ』柚木麻子(新潮社)
5位:『土漠の花』月村了衛(幻冬舎)
6位:『怒り』吉田修一(中央公論新社)
7位:『満願』米澤穂信(新潮社)
8位:『キャプテンサンダーボルト』阿部和重・伊坂幸太郎(文藝春秋)
9位:『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎(幻冬舎)
10位:『億男』川村元気(マガジンハウス)