元米大リーガーのバリー・ボンズ、野茂英雄らが手にした
グラブの製造会社「ケイエスケイ」が鹿児島県阿久根市にある。
グラブ作り50年を超す同社の村井英明社長(74)は
「高校球児にも良いものを」が持論だ。
同社は年間約15万個を製造。
米大手スポーツメーカー、ウイルソンと日本で唯一の契約関係にあり、
大リーグ全30球団の約200選手が阿久根市で作った製品を手に。
日本球界でも
田中賢介(日本ハム)、金泰均(ロッテ)ら約20選手が愛用する。
ウイルソンの開発・販売促進担当者は
「村井社長は作ったものを押しつけず、
選手の要望を聞いてアレンジしてくれる」と人気の理由を分析する。
村井社長は、米プロバスケットボール協会(NBA)から米大リーグへ
一時「移籍」した、マイケル・ジョーダンのグラブも手がけた。
「指がとても長かった。手が入るように2、3回作り直した」と言う。
中指の先から手首までが26センチ。
A4用紙から親指がはみ出したジョーダンの手形に目を落とし、
当時を振り返る。
「高校生は、グラブが悪いため捕球できないのに、
自分の腕が悪いと思い込んでしまう」。
経験豊富な村井社長が目指すのは、高校生のためのグラブ作りだ。
「プロに使ってもらうのはありがたいが、
一生懸命練習してる球児にも良いものを作ってあげたい」。
名人の挑戦が続く。(時事通信)