堂々とした雰囲気が漂う。

プロ野球阪神のルーキーでただ一人、1軍キャンプに入った

ドラフト1位の榎田大樹投手(24)。

「オープン戦でアピールして開幕1軍に入りたい」と目を輝かす。


 度胸の良さと巧みな投球術が売りだ。

野手のフリー打撃で初めて投げた時は、

「打者の反応を見てみた」と言ってのけた。

同じ腕の振りで直球に緩急を付け、内外角を突く。

「自分の球がコースにいけば、詰まらせたり差し込んだりできた」

と自信を見せた。


 東京ガスでエースを務め、

昨年のアジア大会では日本の銅メダル獲得に貢献した。

小さなテークバックで引き上げた左腕が、頭の脇からいきなり出てくる。

上体をうまくひねって球の出どころを見えづらくし、

制球力と多彩な変化球で勝負する。

「厳しいところを突かないと、自分の球威だと持っていかれるから」。

軸足のバランスや重心を意識しながら、球を低めに集める。


 首脳陣の視線は熱い。

岩田や秋山、鶴らとの先発争いに割って入り、

真弓監督は「ローテーションに入ってほしいというより、

入るだけの力を持っている」と期待する。


 日に日に評価が高まるが、

「体幹や足腰の強さがまだまだ足りない。

実戦で変化球を交ぜながら、打者をどう抑えていくかも大事」。

開幕ローテーションを目指し、冷静に自分を見詰めている。(時事通信)