抗加齢医学の実際2016 開催報告 | メディカルヲエンターテイメントニスル Medi*Produce

抗加齢医学の実際2016 開催報告

9月18日・19日の二日間、弊社主催  「抗加齢医学の実際2016」 を今年も時事通信ホールにて開催いたしました。

「アンチエイジング医学の最先端を学ぶ」 と題して毎年様々な切り口からプログラムを構成しております。(※今年のプログラムはこちら

今、話題の糖質制限のセッションから始まり、未来の医療につながる最先端の研究のセッション、アンチエイジング医療を取り巻く環境のセッション、そして最後にアンチエイジング医療を最前線で行われている先生に臨床での実際の講演していただきました。

毎回、すばらしい先生方の講演が目白押しで、我々スタッフもとても勉強になるのですが、今回、山田悟先生 (北里研究所) のメトホルミンの話をご紹介したいと思います。

 

メトホルミンは、糖尿病の第一選択薬として長く使われている薬ですが、その作用機序については、21世紀に入るまでわかっていませんでした。
それが、2001年に肝の糖産生を減弱して血糖値を低下さることが報告されました。(J Clin Invest 2001;108:1167-1174)
しかし、その後メトホルミンの主たる作用の場は肝臓ではなく、腸管だと主張する論文が報告されたとのことでした。(Diabetes Care 2016;39:187-189)

つまり、ひとつの成分で複数の作用機序をもって、血糖抑制に役立っていたということになります。

 

このほかにも、胃薬がドライアイ治療の目薬に応用されたり、肝機能改善薬に水銀排泄として機能が後にわかったりなど、長年使用されてきた薬に新しい価値が見いだされることはよくあることだと知りました。
今まで使われてきた薬が別の治療に用いられることは、安全性の確認に多大なコストをかけずに済むため、確かに合理的な方法です。

メトホルミンについては現在、アンチエイジングの分野で大きな話題となっていて、アメリカではFDAが老化予防に対する臨床試験の認可をしたとのニュースもありました。

もし今後臨床データで効果が認められれば、世界初のアンチエイジング薬となるかもしれません。
時代が急速に進化していることを感じます。

そのな最先端の話題満載の 「抗加齢医学の実際」 セミナーは、来年も9月17日、18日に開催を予定しておりますので、どうぞご期待ください。

 

 

株式会社メディプロデュース

奥村 玲