医療ITの歴史 | 医療ICTの普及に命をかける男のブログ

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医療ICTのエバンジェリスト「MICT」の活動記です

わが国の医療IT化の歴史は、1970年代に医事会計の効率化のために、レセプトコンピュータが開発されました。1980年代には部門システムやオーダーリングシステム、1990年代に電子カルテシステム、2000年代に入り地域連携システムが開発されました。


医療IT化に関する政府の施策は2000年代に入り活発化しています。
1999年、電子カルテの利用を法的に認める通知が出され、「真正性」「見読性」「保存性」という3原則が定められました。
「真正性」・・・情報が正しいこと(がいざん防止機能)
「見読性」・・・即時に見られて読めること(印刷機能)
「保存性」・・・5年間の保存義務をクリアすること

蛇足ですが、3原則のうち、「真正性」の確保が電子カルテ開発の上で難しいとされています。
デジタル情報はかいざんしようと考えると、いくらでも可能ではないかという観点からです。


2001年には厚生省(現厚生労働省)がIT化の施策をまとめたグランドデザインを公表し、
その中で、電子カルテの普及について、400床以上の病院の6割、診療所の6割の普及を、5年後の2006年を目処に達成したいとする目標を定めています。ちなみに現在の電子カルテの普及率は20%程度です。2005年には個人情報保護法をの施行にあわせて、電子カルテの情報の取り扱いに関するガイドラインが整備されています。


また、ちょうどその頃、レセプトのオンライン請求の義務化が2006年に決まりました。自民党から民主党に政権が交代することで、レセプトはオンラインという縛りが緩和され、電算化で構わないとなりましたが、これら施策により、急速にレセコンの普及率が高まりました。


2008年には電子画像管理加算というPACS普及を促進させる点数が新設され、一気にフィルムレスの流れが進んでいます。

このように医療のIT化は政府の主導のもと着実に進んでいることがわかります。