貴方の身近な人が突然「誰かに監視されてる」と言ってきたら、貴方はこれに対してどのような反応を示しますでしょうか。

「されているわけないでしょ!」と反応しますか?それとも「この人、どうしてしまったのかしら」と思われますでしょうか。医療者の方だとしたら統合失調症の陽性症状だと思われますか?

対象者が感じている「監視されている感覚」は、今実際にその人が感じているものであるため、それを「されているわけない」とのように否定することは違うと思っております。蚊に刺されて「痒い」と感じてるのに、他者から「痒いわけないだろう!」と言われたら、少し不快に感じませんか?キョロキョロ




貴方が支援者になった時のことを想像します。

もし貴方が、失恋して辛いときに「辛いんだけど」と誰かに打ち明けた時、頑張りすぎて疲れてしまったときに「疲れちゃった」と誰かにいったときにどういう反応をしてもらうと貴方の心は安らぎますでしょう。それを考えれば、支援者になることができます。

「辛いわけないじゃない!」

といわれるのが心地よいでしょうか。ガーン

「私も過去に失恋した経験があるから貴方の気持ちが何となくわかる」
が良いでしょうか。ニヤリ


「辛そうな貴方をみていて私も辛いよ」
が良いでしょうか。おねがい

それともなにも言わずに横にいるだけでもよいでしょうか。泣き笑い






人間の性格が人それぞれ、顔が人それぞれ、体型が人それぞれであるように、感覚器も人それぞれです。臭い干物の臭いが「くさっ!」と感じる人もいれば「あまり臭いを感じない人もいる」「刺激的な臭いを感じられずに香ばしく感じる人もいる」

そんな事を考えた場合、「誰かに監視されている」という感覚は単なる妄想であると決めつけるのはおかしいのではないかと思われます。

過去に例えば親に勉強を見張られていた、過保護で親に必要以上に縛られていた、彼氏に常に束縛されて監視されていたなどの経験があったりするとそれとリンクするのではないでしょうか。

例えば、玄関の靴を揃えるように幼少期から厳しくしつけられた人がいて、大人になってから靴がずれていると死んだ父親に怒られる感覚に陥ってしまうような気がするとします。そんな人が

「父親に怒られる気がする」

といった場合、過去の一部始終を知っているならばそういう感覚に陥る理由は何となく理解できそうです。




その感覚が起こる理由を話す際に、幼少期のエピソードから話せば良いのですが、「死んだ父親に怒られる気がする」というところだけを話した場合、もしかしたらそれを妄想であると捉えられてしまう場合もあるかもしれません。

今まで私が何百人(千?)の方々と一対一でお話をしてきて思ったことは、今その人の内部で起きている体験は、その人の過去の経験と紐付いている場合が多いのではないかということを感じています。

なぜ今その人はそのような体験を今しているのか、なぜそのように考えるのかを掘り下げていくと、その人を理解しやすいのではないかと思っています。

元々性格として言いたいことをダイレクトに言えない特性がある人は「変に抽象的な言葉を選択して相手に伝えようとする」人などがいて、それも大きな誤解を招く場合があります。




私の過去看護職をしている際に、こんなことを患者さんに言われた事がありました。「天使は白、豚は黒、エンジェルさんは耳に入るけど、黒は口、地獄」

などといったとした時に、これを患者様と紐解いていきました。天使は看護師の事でした。豚というのは職場の上司の事でした。

看護師は自分の言っている事をしっかりと聞いてくれるが、上司は一方的に話をしてくるだけだ、もう辛い。

一見、支離滅裂や言葉になっていない事を言ったとしても、それには大きな意味があると思ってしっかりと聞いてみると、バラバラのパズルが1つの完成品になることもあるので、聞き手は試みてみるのが良いと思います。


ここからは余談で、私が精神科の救急現場で働いていた時の事を書きます。
私の経験上では、統合失調症の方の場合、たとえ病識がしっかりとありセルフモニタリングをされている方であったとしても、薬物療法なしで急性期を自力で回避するのは至難の技であると感じたことがあります。自傷他害の危険性があり、平常時にご本人の意向をきいた上で急性期にどのような対処をすべきかどうかを考えておくことは重要であるとおもおます。

ご自身、対象者をネガティブに導いてしまう体験、パニックを引き起こしてしまう体験は、「出来る限りその体験や経験は少ないほうが良い」のではないかと考えます。もしご本人が望むなら、医療現場の力を頼るというのは1つの手であると思います。重度の統合失調だと、ご自身ではどうにも出来なくなってしまうこともありますので、その際は病院へ。しかし、悪化する前にしっかりと誰かに相談する事が理想ではないかと思います。

弊社は精神疾患やメンタルケア、不登校、引きこもり、機能不全家族、パーソナリティ障害、発達障害などの子どもから大人までの健やかな地域生活を支援する機関です。

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