不登校の子供を持たれる親御様は子供の特性のみならず、ご自身のことも自己分析されると解決される可能性が高くなるかもしれません




「娘が不登校になった経緯」
娘は中学生になる迄は不登校の不の字も知らないくらい元気に小学校に行く子供でした。診断されている自閉やADHD、LDなどはなく、人間関係も良好であるように見えていました。ただし家庭の事情としては


1、3歳の頃に両親が離婚し主に祖母に育ててもらった


2、お兄さんが自閉スペクトラム(高機能なので一見わからない)


がありました。小6卒業と同時に新しい中学校に転校となり同時に新しい家族(アメリカ国籍)と住み始めました。娘と彼の関係は良好に見えていました。アニメの話をしたり皆で遊園地に一緒にいったりして楽しそうに過ごす姿を見ていたからです。ただし話す言語が違うので完全に疎通が図れるわけではありません。


中1の一学期は友達も出来て授業も問題なくテストもオール平均点くらいで終わりました。しかし二学期の初日から『夏休みの宿題が終わっていない』という理由により学校に行かなくなりました。夏休みに部活動の吹奏楽で少しトラブルがありました。彼女は小さい頃から音楽をやっていたのではじめての楽器でも吹くことができることもありました。コンクールのオーディションで講師に『良いセンスだね』とほめてもらい本来上級生が受けもつパートに抜擢されたことで上級生からいい目をされなかったというエピソードがあったようでした。そこから二年生の三学期までの約二年間弱、自室に引きこもって絵を描いたりネット上で知り合った同い年くらいの同じ趣味のこと連絡を取り合ったりしていたようでした。


途中うつ病や適応障害や統合失調症を疑うような症状をもっているように感じましたがそれは定かではありません。『ご飯いらない』『外に出たくない』『人と会うのが怖い』『先生とは話をしない』『周りの人が私を見る』『じいじ、ばあばと会いたくない』内側から部屋のロックをしていた時期もありました。話す度に学校に行かなくなった理由がコロコロかわり、話す人によって話を変えていました。でも私は彼女が全て自分の頭の中で整理して自分の口から自分のことを話すまであえて代弁はしないと心に誓いました。


もしかしたら、娘は自分自身をわかっていないのかもしれない。だから周りの人はよかれと思って、そして彼女をわかったふりして代弁するのは一番よくないことじゃないか。



そう思ったのです。



※例
○○ちゃん、お友達がいないから学校に行きたくないの?テストで良い点とれなくても大丈夫だよ。等々。

私は、自分自身をみつめなおしました。離婚してシングルで育ててきた環境がわるかったとか、突然兄弟が増えてパートナーと住み始めたのも原因の1つであるとは思っていました。時折娘はそれを不登校の原因として言っていたようですが本当の理由はそれではないような気がしていました。



祖母が『お引っ越しが原因なの?』ときくと『そうかも。』とか『ママは仕事ばかりしていて話を聞いてくれない』とか『結婚もしてないくせに家族ぶって人が増えた』とか言っていたようでした。そこのあたりからしきりに、『周りの人に合わせなければいけない』『まわりと違うのはいけない』『空気を読めない人はダメな人』を言うようになりました。それと平行して『友達はいるしいじめはない』『先生は嫌じゃない』『よく分からない』。




振り出しに戻るべきた・・・正直、私の頭のなかもこんがらがっていて、何が本当なのかがわからなくなっていました

人は一人一人皆違うとはいえ、私と同じ遺伝子を持つ娘。そう考え、私も今までの考えを振り出しに戻し、娘の性格を踏まえつつ、一般的な考え&自分だったらどうかという思考も織り混ぜて考え始めました。

↓ここからは私の分析↓


○元々の性格として病的まではいかないが
・感覚過敏なところがある(味や音に敏感)
・言語に関しての解釈が一般的でないところがある
→(ex)10人の人がいます。女が五人なら男は?という質問に対して「中性の人もいるので答えはわかりません」というようなタイプ
・突発的な質問に対しての返答が出来ないことがある。予期せぬことに対応することが難しい時がある。
・自分の意見をうまく言語化できずに言葉につまってしまう事がある。
→過去に自分の意見をいった際に、過半数の人と逆意見だったので自信がなくなってしまった?
・自分の状態や考え、伝えたいことをうまく他者に伝える事が苦手



1、幼稚園~小学校低学年
→お兄ちゃんの自閉スペクトラム疑いもあり、娘はあまり家族から注目されていなかった。
→大抵、「貴方はできる子ね」とされてしまっていた。


2、小学校中学年~高学年
→慣れた環境で安定した生活を送ることができていた。
→特別な勉強をやらなくても授業についていくことが出来ていた。
・言語の理解度は一般的
・大きな知的な問題はないと思われる


3、中学
→引っ越しによる大きな環境の変化と不安
→学校の授業だけでは理解出来なくなってくる
・時折、考え事をしたりしてゾーンアウト(自分の世界に入って先生の話を聞いているようで理解してない)



ここに日本人の特性ともいえるかもしれない、「まわりに合わせなければならない、嫌われる」「空気読めないはいけないこと」「いじめられるかもしれないから自分を殺さなきゃ」という思考と思春期のホルモンバランスの変化の出現

そして、まだ将来の目標が明確になっていないのもあり、「対して利益のない、自分がつらくなるだけのところに行く必要があるか?」という考えが出現。したのではないか?と。。




そしてその後の中学三年生になってから起こった出来事

中3になり、約2年間不登校だった娘が1ヶ月ほどだけ学校に行きはじめた。昨年度親身になってお世話してくださった先生は別の学年にいってしまい別の担任になったというそんなシチュエーションでした。

ワタシはここでまた色々のことを考えさせられました。


ある日自室で泣いていた。どうしたのだろう??

心機一転、新しい気持ちになれ、あんなにやる気にみちあふれていた彼女とは別人のような姿を見た。私は話を聞いた。そして私は、自分の状況をうまく伝えきれていない真の彼女をとらえたようなきがした。何て言うんだろう、これはまるで胃腸炎に感染した吐き気を持っている未就園児が「ママァ、ここ痛いぃぃ~ええぇ~ん」と、「気持ち悪い」という単語を知らないがゆえに、胃腸炎に感染して吐き気をもよおしている事を理解していないがゆえにただただ何で自分がいつもと違う変な状態になってるか理由がわからずに心地悪い状態になっている不気味な状態を私に知らせるために泣いているように感じた。私はふと自分を考えた。


そうだ、そういえば私も慣れるまでに時間がかかるこどもだった。なんだか知らないけどクラスが変わる毎に神経質になって悩んでいた。そうだったじゃん。もしかしたらそれかも。。

娘は学校であったことを断片的に話し始めた。私はまるで、洗濯機で洗ってしまいバラバラになってしまった地図を繋ぎあわせて解読しているような気持ちだった。それを要約したのがこれ。




彼女は三年間同じクラスになった子がいる。その子とは比較的話ができる。その子とのことについて

「よし子ちゃんは、なぜかわたしが幸子ちゃんと話していると間に割り込んできてよし子ちゃんを取っていくんだ。これってよし子ちゃんに嫌われてるのか?」

彼女は上記の台詞は全く言葉としては私に伝えていない。しかし、バラバラの単語を繋ぎあわせたとき、私はそれを発見し私はこう返した。



「ママは子供の頃、こういうふうに感じる子供だった。何で私と一対一でお話している友達の間に突然割り込んでくるのかって。でもそれは割り込みではなくて、皆でお話したい、一緒に加わりたいだけなんだよ、多分。」



どういう意味か。


 人間の中には大多数が普通だと思っている感覚とは違う感覚を持っている人もいる。大人数で話すのが苦手、話の主題がないもの(いわゆる雑談)について語るのが苦手、そういう人間にとっては女子の「どうでもいい雑談」がスーパー苦手な人もいるのだ。話の主題がないのにそれについて語るのは難しい。昨日着ていた服が可愛かったとか、○○先生むかつくとか、駅前に新しいタピオカ店ができたとか、そんなコロコロ話題の変わる話し合いを一時間も続けられない。



そしてそれも・・



一対一ならまだしも、あっちからもこっちからも意見が飛び交う複数人での雑談会。いわゆる女子会。これって、話を理解するのに「集中を要する人」「音に敏感な人」「真面目すぎる人」にとっては地獄の時間。でも、中学生女子、そしてそれ以降の女性たちは結構それが好きだったりする。ママ友とか。


メンズにはわかりづらいかもしれない。一対一っていうシチュエーションは全くないわけではないけど大体は複数人でペチャクチャ。


でもそれはおそらく大多数の人が「問題なくやれること」。でも一部の人にとっては「苦痛の時間」娘にとってはストレスの時間。友達と二人で快適に話していた中に、仲良くなりたくて加わってきてくれた子に対して陰性感情を抱いてしまう。一種の認知バイアス(捉え方の偏り)ではないか。でも実際に三人で話すのは心地いいことではないから認知バイアスではなくてある意味拒絶は素直な反応かもしれない。と思ってそれを娘に伝えたら妙に府に落ちた感じだった。


娘は三人で話す事について頭が割れるほど辛いことではないようなので、「奪う」とか「嫌われている」という考え方をすることを修正するべきではないかと伝えた。娘はこれだけは納得してくれている。


「ママは子供のときに、他人と違うという違和感に容易に気がつくことができなかった。大人になって自己分析を続け、30年以上かけてやっと発見した自己のキャラクターが大多数からの逸脱。ママは大多数の人の脳とは多分違うからもしかしたらあなたももしかしたらそうなのかもしれない。」


そんな事があった。


結局、中学三年間は不登校に終りましたが、高校は彼女の特性を見抜いていかし、今は毎日楽しそうに学校に行っています。



適切な方法、真を見てそれに沿えば人間は変わると信じています


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