<注意>色々と考えたことをまとめたのですが、結局本ブログのタイトルに書いた疑問の答えは、中盤以降にあります。色々と思考が飛んで読みにくいかもしれません。悪しからず。

 

 

イタリア医学部の卒業資格はEU圏でrecognition(認識)された資格なので、イタリアに限らずEU圏内で働く資格があることを意味しています。私は最終的には日本で医師業を行いたいと思っていますが、日本に戻る前にEU圏で経験を積んでみるのもいいかなと思いました。

 

イタリア医学部の授業は英語だけど、臨床研修で求められるのは当然ながらイタリア語。もし卒業後にイタリアで働く場合に求められる言語もイタリア語。ではどこの国で医師として働くのか?この疑問に答えるために、色々と調べてみました。

 

整理できたこと

  • 日本で医師として働くためには日本の医師国家資格を取得する必要があるように、各国ともに独自の基準がある。
  • 日本では専門医になるまでに、初期と後期、合計5年間の臨床研修期間があるが、専門医制度は日本独自の科目もあるので、私のようにもし「総合診療医」を日本で目指すのであれば、日本の研修制度にジョインすべき。そのため、3年間の後期臨床研修は日本で受ける必要がある。
  • 上記のように専門医制度はもしかするとその国独自の科目が存在するかもしれないので注意が必要(かもしれない)。

えっ、なに今更言ってんの?と言われそうですが、ふむふむ、そうなのですね。真顔

 

では各国独自の基準ってなんでしょうか?まず「卒業した医学部の国はどこ?」が重要な基準の一つだとわかりました。EU圏内にあるrecognitionされた医学部であれば良いので、イタリアの医学部を卒業するというのは、その可能性を広げるものだとわかります。例えば、スイス、ドイツで働こうと考えている場合、EU圏内の医学部卒業資格があることが、応募者の前提条件になっているという感じです。

 

日本の医学部でもいいんですが、もし卒業後にヨーロッパで働きたいとなると、日本はEU圏外ですので、まずは卒業した大学の等価性・・アポスティーユ・・等々煩雑な手続きが待っています。あるいは、その読み替えも行われない場合もあるようです。

 

 

さて次は、医師の報酬をOECD加盟国間で比較した2019年のデータを見つけました。

 

 

ユーロ表示された「General Practitioner avg salary」を日本円(1€=155円)に換算してグラフにしてみました。

 

サラリーの多さでは日本が第4位にきています。年収3,052万円ということです。・・・えっ、本当にそうなのはてなマークはてなマーク

以下に述べる厚労省のデータによると、日本の医師の平均年収は1,523万円となっています。2倍もの開きがあるので、OECDのデータにあるGeneral Practitionerというのは開業医の年収だけを指し、厚労省のデータには開業医は含まれていないのだと思いました。このあたり言葉の定義をOECDのデータで探したのですが見つかりませんでした。それでもある条件で比較してみると、日本の医師のサラリーは高額な方なんですね・・低いだろうと予想していたので驚きですびっくり

 

OECDのデータ以外にも、どの国のサラリーが高いかを調べてみると、ヨーロッパでは、ルクセンブルク、オランダ、スイス、ベルギーなどが挙がってきます。各国の物価や医療制度は医師の報酬と関係があるので、上記のグラフを一概に、どの国が高くて、どの国は低いという比較はできないのですが、現地で稼いだお金を日本に持ち帰った時の目安にはなります口笛(例えばスイスでは日本のような皆保険制度はないため、プライベートな保険に加入します。1つの症状につき1回しか診療報酬が請求できないドイツと比べ、スイスは日本と同じようにその都度請求できます。また物価もスイスは高いため、トータルで見るとスイスの医療報酬は高額になります)

 

ルクセンブルクかぁ・・。調べてみると、医師として働くための手続きが(スイスと違い)簡単でした。

公用語がフランス語、ドイツ語、ルクセンブルク語で、外国人医師はフランス語もしくはドイツ語B2レベルがあれば良いということです。

 

余談ですが、私はドイツ語も少しはわかるのでドイツ語圏の医学部進学も何度も検討してきました。ほとんどのドイツの医学部の授業料は、いまだに無料です。チュー ボローニャ大学の学費が50万ほど毎年かかるとわかった今、改めてドイツの医学部受験に変更すべきかを考えていました。ドイツやオーストリアの医学部進学にはC1レベルのドイツ語が求められるのですが、私は今からもう5年くらい前になりますが、口述試験ではC1レベルに一度合格した経験があるので、少し勉強したら到達できるだろうという感覚です。

 

しかし英語で学べるという点が私にとって非常に重要だったので、やはり引き続きボローニャ大学を目指した方がいいと思っています。それでもルクセンブルク、スイス、ドイツ、オーストリア、いずれもEUの医学部を卒業している&ドイツ語がB2レベルもしくはC1レベル以上という点が共通しているので、ボローニャ大学卒業後は、ドイツ語圏で働くことを考えようかなと思いました。

 

例えば、スイスの公用語はフランス語、ドイツ語、イタリア語、ロマンシュ語です。もしボローニャ大学を卒業したら、私はもともとあるドイツ語プラス、イタリア語、英語が話せるようになるので、スイスを働く国としてみた場合、ドイツ語圏とイタリア語圏にある医療機関で職を探すことができるようになります。

 

まぁ・・夢は膨らみますね。。音譜

 

 

厚生労働省令和4年賃金構造基本統計調査(2022年)

医師の年収を企業規模別にみるとこうなる(計算式は、決まって支給する現金給与額と年間賞与を合計しました)

10人以上 1,428万円

10人から99人 1,725万円

100人から999人 1,695万円

1000人以上 1,245万円

 

企業規模を合算した場合の日本の医師の平均年収は、1,523万円コインたち札束

 

経験年数別に見てみましょう。経験年数が0年(なし)の場合の年収はこうなります。

10人以上 512万円

10人から99人 1,035万円

100人から999人 677万円

1000人以上 467万円

10人から99人規模が最も高く、1000人以上が最も低いという傾向がはっきりとわかりますね!すごいポーン そして初期臨床研修医1年目にして1,000万円稼げる病院があるんですね。症例数が多い大学病院を研修先に選びたいところですが、経験かお金かと難しい選択になるのでしょうか。。

 

この数値は平均なので当然もっと下だという方もいらっしゃるでしょう。でもこの統計調査結果を見ると、医学部卒業直後の年収として決して悪いとは感じません。繰り返しますが、この年収の計算式は、決まって支給する現金給与額と年間賞与を合計したものになります。決まって支給する現金給与額の中に残業代が見込みで計上されているケースがあればこの金額の意味合いが変わりますが、もし残業代は別であれば、この金額は決して低いとは言えないかな・・と個人的には思います。

 

 

最後に、経験年数が1年から4年の場合の年収も見てみましょう。

10人以上 829万円

10人から99人 1,243万円

100人から999人 1,119万円

1000人以上 737万円

 

やはりこちらも、10人から99人規模が最も高く、1000人以上が最も低いという傾向は変わりません。真顔

 

医学部卒業直後の1年目は年収が500万円前後ですが、2年目から700万円以上になると言えます(データはあくまでも平均ですので、もしろん下回る人もたくさんいらっしゃると予想されます)。