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はかせさんのブログ

フリーランスの日常,医薬情報,体験談,日ごろの思いなど,いろいろ書きます。

糖質ダイエットは,糖質の摂取を制限する食事法で,糖尿病の患者さんに対する食事療法の一つです。一般的には,痩せるためのダイエット法の一つとして知られています。そこで,糖質ダイエットでなぜ痩せるのかと,ダイエット期間中の注意点についてまとめてみます。それらを知ることが糖質ダイエットの成功に繋がると思います。

 

私たちのからだは,糖質の構成成分であるグルコース(ぶどう糖)をエネルギー源として利用しています。普段は,グルコースを食物中の糖質から得ているのですが,そのグルコースが足りなくなれば,からだは肝臓と筋肉に蓄えたグリコーゲン(糖質の一種)を分解してグルコースを補給します。そして,グリコーゲンの蓄えが限界になると脂肪を分解してグルコースを生成し補います。もし飢餓のような状態が長期間続いて脂肪も底をつき始めると,最終的にはタンパク質を分解してグルコースを生成します。このように,からだはグルコースを3段階の方法で捻出することができます。この3つのうち,糖質ダイエットは2段階目,すなわち脂肪の分解によるグルコースの生成を促進させることによって,からだの脂肪を減らすことが目的です。

 

さて実際には,白米,パン,麺類,パスタ,芋類など糖質を豊富に含んでいる食物を摂らずに,良質な脂肪とタンパク質が中心の食事を摂ることが糖質ダイエットです。このとき,他の食材や調味料などに含まれている糖質まで制限する必要はありませんが,砂糖はできるだけ摂らないようにしましょう。もちろん野菜はしっかり摂りましょう。糖質ダイエットを始めて早ければ2,3週間—ただし,個人差があり,年齢,体格,健康状態,1日の活動量などによって異なります—で,からだがグリコーゲンをほぼ使い切るため,脂肪を分解してグルコースを補うようになります。そうです,グルコース生成の1段階目を終えて2段階目に入ったことになります。この時期は,体重減少に伴ってお腹周りの脂肪の減りも目立ちはじめます。ここで,不要な脂肪だけを完全に分解してしまうことが理想ですが,その時期を見極めることは難しく,気を付けておかないと,3段階目であるタンパク質の分解が始まってしまいます。タンパク質が分解すると健康を損なう原因になり,病的な状態に陥ってしまいます。したがって,体重減少や脂肪の減り具合を観察しながらタンパク質の分解が始まる前—第2段階が始まってから最長で2,3か月—を目処に終了するほうが良いでしょう。

 

以上が糖質ダイエットの基本的な流れと注意点です。また,果物も種類によっては糖質を多く含んでいるので摂らないほうが良い,と言うより摂るとダイエット効果はなくなりますから摂ってはいけません。もしビタミン不足になりそうなら総合ビタミン剤などの服用をお勧めします。

 

糖質ダイエット終了後は,体重の変動を観ながら適量の糖質を摂り始め,体重が増えすぎることのない,自分に合った糖質の摂取量を見極めましょう。最終的には,その摂取量の糖質も含めてバランスのとれた食事を継続することが大切です。糖質は1日1回,たとえば朝食の時だけ摂るということでもOKです。糖質を食事のたびに毎回摂ると,おそらく摂り過ぎになり,体重が増えてしまいます。自分に合った食事バランスを見つけることができれば,糖質ダイエットは「成功」ということになります。

 

最後に,この糖質ダイエットを行う際は健康体であることが大前提ですから,からだの健康に自信がない場合は,自己判断でダイエットを試みるのではなく,医師や栄養士に相談することをお勧めします。

 

今回は,かなり長くなってしまいましたが,最後までお読みいただき,ありがとうございました。

たばこの煙は化学物質を多く含んでいて,その数は百種類を超えると言われています。その中には,ニコチンのようにたばこに含まれる成分に加えて,たばこの燃焼や加熱によって生じるタール,一酸化炭素,アセトアルデヒド,およびベンゾピレンなどの有害物質があります。ちなみにアセトアルデヒドやベンゾピレンは発がん性物質です。

 

ニコチンは,少量では血管を収縮させ,量が増えると血管を拡張させます。このメカニズムは,ニコチンによってまず交感神経が興奮して血管を収縮させ,次に副交感神経の興奮によって血管が拡張するというものです。このニコチンの作用が皮膚に最悪の事態を招きます。すなわち,たばこの吸い始めに血管が収縮すると,皮膚への血流量が低下して十分な酸素や栄養分が皮膚へとどき難くなります。その後,吸い続けてニコチンの量が増えると血管が拡張して皮膚への血液量が増えるのですが,その時には,既にたばこの燃焼や加熱によって生じた一酸化炭素やアセトアルデヒドなどの有害物質が血液中に充満しているので,血流量が増えても皮膚の細胞へ栄養を届けるどころか有害物質を送り込むことになるのです。また一酸化炭素は酸素を押しのけてヘモグロビンと強固に結合しますから,血液中の酸素量も減少し,皮膚へ十分な酸素を届けることもできません。

 

さらに,一酸化炭素,アセトアルデヒド,ベンゾピレンなどの有害物質は生体内で活性酸素を生成します。その活性酸素は皮膚の細胞に傷害を与えるとともに,コラーゲンやエラスチンなど重要な皮膚の構成成分を分解します。それによって,皮膚の弾力はなくなり,水分保持能力も減少し,最終的にしわが増え,たるんだ肌になってしまいます。

 

たばこは,自分が吸わなくても,周りの人が吸っている煙を浴びるだけで害になりますから,たばこを吸う人には喫煙マナーをしっかり守ってもらいたいですね。

前回,お肌での細菌の役割についてお話したので,腸管内に生息する細菌の役割についても簡単にまとめてみました。

腸管内に生息する善玉菌は,皮膚に存在する細菌と同じように,様々な種類があり,それらがバランスよく集まって群を形成しています。この群を腸内細菌叢と呼んでいます。この腸内細菌叢を形成する善玉菌のバランスにも個人差があって,その人にとって最もよいバランスが保たれています。

 

腸管に存在する善玉菌は,腸粘膜を正常な状態に保ち,腸管からの異物や病原体の侵入を防ぐためのバリア機能を強化しています。さらに,腸管の主要な役割である食物の消化と栄養分の吸収に係わっています。特に,腸管にある消化酵素で分解できない食物繊維などを分解してくれるので,体が食物繊維の成分を利用しやすくなります。食物繊維は便通を良くしてくれるものや,コレステロールや糖の吸収を抑えてくれるものを含んでいるので,食物繊維を分解してくれる細菌はとても貴重ですね。また,人体が必要とするビタミンやミネラルを作ってくれる細菌もいます。

次に,腸内細菌と免疫系との関わりです。皮膚に存在する細菌が,皮膚での免疫反応に係わっている話をしましたが,腸内細菌は腸管での免疫反応だけでなく,からだ全体の免疫系とも関っています。すなわち,腸管から体内へ入ろうとする異物や病原菌に対する免疫反応を誘導するだけでなく,からだ全体の免疫機能の調整や維持にも重要な役割を果たしているのです。

以上のように,腸内細菌は腸管の機能だけでなく,からだ全体の免疫系にも係わっていますから,腸内細菌叢のバランスが崩れると,腹痛,下痢,便秘などの消化管症状だけでなく,全身性のアレルギー反応や炎症を引き起こす原因にもなるのです。加えて,最近,ストレスなどの精神的コントロールや,うつ病および不安障害などの精神疾患にも関与していることが明らかになりつつあります。

 

腸内細菌に異常な刺激を与えないよう,暴飲暴食を避け,毎日バランスの取れた食事を摂ることが,腸内細菌叢を正常に保ち,結果的にからだの健康維持に繋がるということですね。