今後初期研修先を選ぶ人にも参考になれば幸いです。
2年間研修して思うことは、
結局はどの病院にいっても自分次第である、ということです。
これはみんなが言うことですが、自分が研修を終えるにあたっても同じことを思います。
忙しい病院に行ってもゆとりのある病院に行っても、自分のやる気さえあればどんなことだって出来ます。逆にどんなに有名な病院に行ったとしても適当な研修をしていれば大して身にならないと思います。
どんな研修を送ったとしても、将来専門科に進めば、おそらく10年目ぐらいの医者の実力(特に臨床力は頭打ちになります)はそう変わらないと思います。
ただ、差がつくところは、結局generalな部分だと思います。そのgeneralな部分を学び、commonな疾患を自信を持って対応できるレベルにする、それこそが初期研修で学ぶべきことと思います。
ただ、みんながみんなgeneralをやる必要もないと思います。自分が将来specialityに特化したい、あるいは研究に従事したいという明確な思いがあるなら、generalに浅く広く出来る必要は全くありません。むしろ、大学などで最先端の医療を学んだり、尊敬できる先生の手術を1件でも多く見た方がよっぽど将来の糧になります。
昨今では医療も細分化されていますし、大学なんかではどんな些細なプロブレムでも自分の診療科分野でなければ必ずコンサルトしなければならないところもあると聞きます。
自分の診療科以外全く見れない医者というのもどうかとは思いますが、患者の立場になって考えると中途半端な知識で治療されるより専門の先生に診てもらえるほうが安心なわけで、何でもかんでもコンサルトすることに関しては否定はしません。
ただし、コンサルトしなければいけない病態を見過ごさないことは非常に重要で、それに関しては自分の診療科の知識だけあればいいとは言えません。
極端な例を出せば、脳出血で入院した患者で、入院時スクリーニングで胸部単純写真を撮ったところ、肺野に腫瘤影があるにもかかわらず見過ごされていた例
あるいは
肺炎で入院したDM罹患患者のアセスメントとしてHbA1cしかモニターせずに微量アルブミン尿を全く測らず、Crのみで腎症を判断する。
などです。
これは極端な例ですが、自分の診療科しか見ない、という姿勢では足元をすくわれます。自分の診療科以外もプロブレムを拾いあげて適切に他科にコンサルトできる、その力が今後細分化されていう医療現場では求められていくと思います。
初期研修で重要なこととして僕の強調したいことの一つに、
プロブレムリストをとにかくあげる
ことがあります。
気づきませんでした、はギルティであり、総合病院に入院していて沢山検査ができる環境にいながらプロブレムを見落としてはならないと思います。
プロブレムリストをしっかりあげて一つ一つアセスメントすることが病棟医にとっては非常に重要なスキルです。
初期研修先を選ぶ際に気にしてほしいことは、
自分のビジョンを明確にすること
です。
専門に特化したいのか、ある程度generalに学びたいのかを自分の中ではっきりさせる必要があります。それだけで初期研修先はかなり変わります。
ただし先ほど述べたように専門に特化したい場合でも、専門バカになって自分の診療科以外のプロブレムのアセスメントすら出来ない医者は論外です。common diseaseを治療をできる必要は必ずしもありませんが、診断をできる能力は必要です。
2つめは、自分の頑張りでなんとかなる部分となんとかならない部分を知っておくことです。
例えば研修先の救急が2次なのか3次なのか、はプログラムの問題なので自分の頑張りではどうしようもありません。
当直に関しても、業務内容に関しては病院間でバラツキがあり、急変対応を沢山経験できる病院がよいのであればそういった病院を選ぶ必要があります。
3つめは、学生がよくいう、「手技が多く経験できる」に関しては個人的にはどうでもいいと思います。初期研修でやるレベルの手技(多くはCVとかの刺しもの系)は、別に臨床をやってる限りいつになってもやりますし、若いうちにできたから偉いわけでもすごいわけでもないと思います。だいたい5年目くらいまでには誰だって、どの病院にいても出来るようになります。なので、初期研修先を手技で選ぶのは勧めません。
4つめは、最終的に人で選ぶことです。
どんなに学生時代に見学しても、研修先で実際に働いてみないとわからないことのほうが多いです。
僕は、この先生のようになりたい、この先生に教わりたいというような人が1人でも多い病院を選ぶことを勧めます。
残念ながら同期は選べません。ただし、先輩は選べるんです。(※実際入ってみたら憧れた先輩はいなかったということもあるので注意)
同期は選べませんが、忙しい病院を選ぶにあたっては、忙しいのを承知でみんな志望しているので、モチベーションが高い人は集まります。
個人的には同期のモチベーションというのは結構大事で、刺激をもらえる同期が多いほうが絶対いいです。
大学を批判するわけではないですが、大学はどうしても研修医が多い分モチベーションの低い人もいます。そういう人に流されない意思を持っていれば、大学でも十分やっていけると思います。僕は楽な方に流されるタイプなので大学は向いてないと思います。
以上色々言いましたが、
結局自分次第。頑張りでいくらでもやれる。
プロブレムをちゃんとあげられる医者になる。自分の診療科じゃないということを理由にアセスメントを放棄しない。アセスメントした上で適切なコンサルトを。
病院のプログラムをちゃんとみる。自分がやる気を出しても経験出来ない限界を知っておく。
基本手技はいずれ身につく。焦る必要はない。
1人でも尊敬出来る先輩のいる病院を選ぶ。
以上です。
