人は亡くなった時、死亡診断書、死体検案書という書類を作成します。この書類は、保険請求その他のご遺族の権利・利益に重大な影響を及ぼしますのでとても大切な書類です。またこの書類がないと、ご遺体の移動、火葬、葬式ができません。この書類作成をめぐって、(明らかな病死のかたは問題ないのですが)原因不明の突然死、外傷死、労災事故死の場合、問題となることがあります。

監察医務院のある東京、横浜、名古屋、大阪、神戸では、そのようなご遺体はすべて監察医務院に送られるので、そこで監察医が検案や場合によっては解剖されるなどして死因を追及されます。

ところがこの監察医務院のない日本のほとんどの地域では、監察医制度がないため地元の警察と担当医、警察協力医で遺体は処理されます。臨床医は死体を見ることは得意でないため、また田舎の警察も死体になれていないため、時として誤った死亡原因をつけてしまうことがあります。(明らかに異常な死体、全く原因の分からない死体は解剖することがあります。)現在のシステムではどうしようもないところなのですが。

個人的には、全国に監察医制度があればいいなと

思います。