【前十字靭帯(ACL)損傷 (ぜんじゅうじじんたいそんしょう】 | サッカー育成年代応援ドクター

サッカー育成年代応援ドクター

サッカーを頑張る育成年代のみんなでも「これだけは知っといてほしいケガの知識」をお伝えしたいと思っています。
ケガのことも学びつつ、プロサッカー選手を目指してください!
子供たちの夢を応援しています!!
目指せ、サッカー日本代表!!

 

【前十字靭帯(ACL)損傷 (ぜんじゅうじじんたいそんしょう】

 

 

バスケットボールやサッカー、スキーなど、ジャンプの着地方向転換急停止する時に損傷することが多いケガです。やや女性に多い傾向があります。

ケガをした人の話をきくと、「膝が崩れ落ちるように倒れた」「ブツッという断裂音が聞こえた」などという患者さんが多いです。

 

前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)はどこにあるかのかを見てみましょう。

下の図1は右膝の図です。

(図1)

脛骨の前側に付着してしているのが、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)です。

 

それぞれの靭帯が損傷した図を図2に示します。

(図2)

 

前十字靭帯は、歩いたり、走ったりしているときにブレーキをかける役割があります。

そのため、前十字靭帯を損傷すると、ブレーキがかけれず歩けなくなります。

 

〔どのようなメカニズムで発症するのでしょうか?〕

(図3)

上の図3は右膝を横から見た図を示します。

後ろから力が加わると脛骨(けいこつ)が前方へ押し出されます。

それにブレーキをかけているのが、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)です。

脛骨が前へ押し出される力が、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)のブレーキをかける力より大きくなってしまうと、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)が図のように切れてしまいます。

そのため、ジャンプの着地方向転換急停止する時に損傷することが多いとされています。

これが、前十字靭帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)のメカニズムです。

 

 

〔治療〕

何もせず、ただ安静にするだけは、自動再生することは期待できないため、ほぼ100%再発し、完治することは原則ありません。

未治療で放置すると、骨や半月板がすり減ったり、膝が前方にずれたりすると半月板損傷をおこしてしまう可能性があります。

従って、スポーツ選手なら手術をすることをお勧めします。

術後のスポーツ復帰は8-10か月のことが多いです。

 

 

〔予防〕

予防は、太ももの前を鍛える筋肉トレーニングをすることが予防となりますので、普段の練習での筋トレメニューがチームあるのであれば、それをしっかり行うことが予防となります。

 

 

〔☆豆知識☆〕

前十字靭帯損傷が多いスポーツランキングです。

ある病院での統計結果ですが、

1位:バスケットボール(29%)

2位:スキー(20%)

3位:サッカー(14%)

4位:バレー(12%)

5位:ラグビー(4%)

 

サッカーは3位でした。サッカーでも受傷しやすいので、気を付けておきたいですね。