変形性膝関節症とは??
皆さんどのように理解しているのでしょうか?
X線(レントゲン)画像において膝関節が変形してきている状態のことを言います。
具体的にどのような画像かといいますと。。。下の写真のようなX線画像になります。
上の画像は膝を正面からみたものです。
上の画像は左膝を右側方からみた画像です。
上の画像は右膝を左側方からみた画像です。
変形性膝関節症の定義は関節軟骨の退行性疾患であり,発生頻度が高く,その症状として関節痛や拘縮(関節可動域制限),腫脹(関節の腫れ)が起こる。それに伴い,高齢者の日常活動性と生活の質を阻害するとされています。
変形性膝関節症には,加齢に伴う軟骨,軟骨下骨(軟骨の下にある骨),滑膜(ささくれのようなもの)といった関節構成体の生物学的変化と,構造の変化,異常な負荷や外傷などの生体力学的変化が関わっています。病態は,軟骨変性に伴う軟骨の代謝異常あり、さらに軟骨を破壊し,それに生体修復に伴う変化が加わって進行する一連の過程である。この生体修復とは骨が変形してきたり、関節が固くなってくることを指しています。
下には健常人と変形性膝関節症の方を比較した膝関節内部の状態を比較した図を載せます。
この変形性膝関節症はX線上診断がつく方はわが国ではなんと!!!1,000万人に上るともいわれています!!!こうなると、ほとんどの方が経験する疾患といっても過言ではありませんね!!
ではなぜ起こってしまうのでしょうか??変形性膝関節症には原因が不明である1次性と特定できる原因がある2次性があります。
多くの変形性膝関節症は1次性でありその要因は、、、
① 性別・年齢→本邦における臨床研究結果では古賀らが発症頻度は,60歳代で男性20%以下,女性35%程度であったものが,それ以降は指数関数的に増加し,80歳以上では男性60%,女性80%を超えることが明らかとなったと報告しています。(下のグラフ)
② 人種→変形性膝関節症は内側が痛くなる内側型、外側が痛くなる外側型、お皿全体が痛くなる膝蓋型、お皿の内側が痛くなる内側膝蓋型、これら全て合わされる全型があるが日本人は内側型が多いといわれています。欧米人は外側型が多いといわれています。
ここからは私の経験的な報告となりますが、、、私はこれまでに長野県と東京でリハビリテーションを行ってきました。長野県は都市部以上の頻度で内側型の変形性膝関節症患者が多い印象でした。それに比べ東京は長野県ほど内側型変形性膝関節症に巡り会いません。長野県では全くと言っていいほど巡り会わなかった膝蓋型と巡り会うことが多々あります。なぜこれ程までに変化するのだろうかと自分なりに考えてみました。長野県は皆様もご存じの通り農業が主な産業です。農作業というとしゃがんだりといった膝が深く曲がる動作が多くなります。さらに住環境は旧日本家屋が多く生活様式は床の立ち座りが多い和式生活です。
東京はというと生活様式は殆どの方がイスやソファーなどを用いた様式生活です。これらの住環境や生活様式、産業の違いが長野と東京の変形性膝関節症の微妙な違いに少なからずとも関与していると考えています。
③ 遺伝的素因→1次性変形性膝関節症の罹患者は関節リウマチに非常に似た遺伝子配列になっているといわれています。
④ 労働やスポーツの生活習慣→先にも紹介しましたが、農業など膝が深く曲がるような動作が繰り返して行われると変形性膝関節症の発症リスクは高くなるといわれています。
⑤ 生活様式→これも先に紹介しましたが、和式生活は正座や床からの立ち座りによって深く曲げる動作が多くなります。これにより膝関節へのストレスが増し変形性膝関節症の発症リスクは多くなるといわれています。
⑥ 肥満→やはり一般的には肥満傾向の方は膝関節へのストレスが高くなり変形性膝関節症へのリスクがたかくなります。ちなみに肥満とはBMI(Body Mass Index)といって身長と体重の関係から算出した指数で判断できます。日本肥満学会によると、BMIが22の場合が標準体重、25以上の場合を肥満、18.5未満の場合を低体重とされています。
計算方法はBMI=体重kg/(身長m)2 で算出できます。
例えば 身長172cm/体重57kgであれば 57÷(1.72×1.72)=19.3 となります。
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