さて前回記事の続きです。
学者の言う「平均への回帰」は、長期投資においてリスクを縮小してくれるものなのか、わからないなりに何とか検証できないものか、考えてみます。
まずは前回記事中の最初の図を思い出してください。
あの図だと、年率リターンなら長期でリスクは縮小していました。
あの図を、単にその時点における投資元本に対してどれだけ上がったか(下がったか)を表す騰落率のグラフにしてみたらどうなるでしょう。1年毎から30年毎まで5パターンで作ってみます。
予想されるのは、年数が経つにつれ上下の振れ幅が大きくなることですね。
例えば年率期待リターン5%、リスク20%の確率分布グラフは次のようになります。
横軸が経過年数なので、長期になるほど振れ幅が大きくなります。とくに上側(+2σ)の振れ具合が大きいですね。
たぶん、実際の株価推移もこれに良く似た形になるんじゃないかと。
で、TOPIXですが、こうなりました。
どうでしょう?結構似た感じにはなってると思いませんか?上ブレ具合とか、平均リターンの傾き具合とか、なかなか良くできてますね。
ただ、この中にはバブル時の高い株価が含まれてます。とりあえず、TOPIXの推移チャートも載せてみますね。
バブル時の非常に突出した株価が、先のグラフの上振れに表れているのかもしれません。
そこで、各々の投資期間で収益がどのように分布しているのかを、ドットチャートの形で表してみました。
これです。
なるほど、なんとなく上振れが大きい値がありますね。このへんは外れ値としてみてもいいかもしれません。
さて、ここからどう分析するかですね。
とりあえず分かっていることを列挙すると、
各年のリターンに占めるマイナスリターンの数は減少傾向。(30年投資の場合は1つだけ)
ただし、マイナスリターン幅は20年まで拡大。(30年は縮小)
各年のリターンの中央値は1年から順に、4.3%、12.7%、33.37%、98.82%、192.42%と右上がりの傾向を示す。
このTOPIXの事例だけ見ると、30年の長期投資は概ね良い結果をもたらしているように思えます。
でも気をつけるべきなのは、当たり前ですが、言ってもこのTOPIXの推移は右肩上がりであることと、バブルの頂点からの結果はまだ30年投資には反映されていないことです。
またマイナスリターンの数が減るのも、そもそも全体に占めるマイナスの数が半数以下であるため、長期だと当たり前のように減ります。決して長期だとプラスに収束するとは思わないほうがよいです。
(ある販売会社のパンフレットにはそのように誤解させる記載もありますが)
とりあえずここまでで分かるのは、放物線を横向きにしたように、長期であるほどプラスマイナスの上下幅は大きくなり、バラツキが出ます。
その傾きがプラスのほう(上向き)になるのか、マイナス方向(下向き)になるのかは、株価の推移に依存します。
ところで、議題は「平均への回帰」でした。
やはりそれは、年率リターンでみた場合の振れ幅が、長期になると小さくなるという意味でしかないのでしょうか。
この段階ではそう捉えるしかなさそうですね。
仕方ないので一旦その意味から離れて、では長期投資ほどバラツキが拡大するとしたら、何に気をつけたらいいか、次に考察したいと思います。







