メディアージュ皮膚科二キビ専門クリニック医師の大島です。

 

今年の冬は比較的暖かく暖冬傾向のようです。

しかし降水量が少なく、空気が非常に乾燥しています。

冬の乾燥する時期に悪化することが多い疾患としてアトピー性皮膚炎が挙げられます。

 

アトピー性皮膚炎といえば子供の病気と思われるかもしれません。

確かに乳幼児期は皮膚が完全に出来上がっていないのでバリア機能が弱く、アトピー性皮膚炎になりやすいです。

成長とともに皮膚が完成しバリア機能が整うとアトピー性皮膚炎が治るケースも多いです。

弱いバリア機能を補うために新生児に保湿を徹底するとアトピー性皮膚炎のリスクが3割低下するとの報告があります。

保湿剤でアトピー3割低下 新生児に毎日使用で

 

 

ただしアトピー性皮膚炎が思春期になっても治らない場合は非常に厄介です。

なぜなら思春期になるとニキビが発生しやすくなるからです。

 

アトピー性皮膚炎は免疫を抑制するために治療薬としてステロイドやタクロリムス軟膏などを使用しますが、ニキビの原因であるアクネ菌にとっては増殖しやすい環境になります。

逆にニキビの治療として角質剥離作用の外用剤(アダパレンや過酸化ベンゾイルなど)を使用すると、皮膚のバリア機能が低下してアトピー性皮膚炎が悪化します。

卵が先か鶏が先かの話ではありますが、アトピー性皮膚炎とニキビが合併するケースというのは非常に厄介なのです。

 

アトピー性皮膚炎にとってもニキビにとっても大事なのは保湿です。

保湿することでバリア機能が整いますし。余分な皮脂が増えるのを防ぐことができます。

 

あとは皮膚の状態に応じてどのように治療を進めていくかというのは慎重に考えなくてはなりません。

アトピー性皮膚炎が悪化した場合は多少ニキビが悪化するリスクがあったとしてもステロイド外用剤を使用することがありますし、ニキビが悪化した場合であれば極力アダパレンや過酸化ベンゾイルを使用しない治療プランを立てる必要があります。

 

いずれにしても自己判断は危険なので、特にアトピー性皮膚炎とニキビが併発しているようなケースではきちんと皮膚科を受診して現在の肌状態に適した治療を行っていく必要があるのです。

 

メディアージュ二キビ専門クリニック医師 大島玄

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