「山頂到着」


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前を向いて進まないと!

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ダイルクロコダイル氏、何気なく

あんな高い山の上に登っている。


そういえば 去年、私も何気なく、登山着着用ではなくて、普通の冬のコート で

シャモニーの雲の上に出てしまう、富士山よりもずっと高いアルプスに登った


普通だったら、そこは想像の世界でしかなくて

とてもとても 大変な思いをして、やっと登らないと

見ることが出来ない場所

登山上級者しかみることのできない世界なのだ!


その想像の世界へ ケーブルカーを乗り換えながら

スイッと、登ってしまった。


ケーブルカーに乗るのに待っている人達は3組に別れた

* 私達みたいな、ただの観光客

* ちょっとトレッキング組

* 装備万端の登山組、というか彼らは頂上から下山するのだ

  だから、ある人はスキーも担いでいた


その中にモコモコした毛皮のコートにブーツ姿で立っている私は

恥ずかしく感じていた。

本物の中で一人だけ偽物...

ばつが悪い、格好悪い、気まずい、気恥ずかしい

こんな感情を持ってしまった!


山頂についてしまえば、

そんな気持もすっ飛んでしまうような絶景に狂喜乱舞で

私には絶対にどんなことがあっても

登ることが出来ないこの山頂へ連れて来てくれたケーブルカーに

ただただ感謝するばかりだった


けれど

その時に感じた、本物の中の偽物としての居心地の悪さを

時々思い出す度に、ちょっと苦笑してしまう

そしてこういう恥ずかしい思いをするっていうこと

私にはよくある事だ、と思った。


先月から始まった、アートクラスに通っているのだけれど

私は、ここに行くと、本物の中の偽物の恥ずかしい気持で一杯になってしまう


私は、基礎のトレーニングをちゃんと受けていないから

意を決して遠近法/影、トーンの違い/対象物の関わり方

など、本当に基本編を学びに行き始めたのだけれど

【島田カオルよ、思い知れ~~~~~!!!!】

って、私の描いたものが私に向かって、世界に向かって 叫んでいるのが 

見える!見える!聴こえる!!聴こえる!!!


あ~、本当になんという情けなさ!

私の友人が前に話してくれた


「学校へ行くとあまりにも出来ない自分に情けなくなって

凄く落込んでしまう、悔しくて情けなくて、本当に嫌になる

でも、その時に娘が言ってくれたの

『ママ、出来ないから学校へいったんでしょ?』

そんなふうに、励ましてくれて気持がまた戻ったことがある」


私も、その言葉想い出して、自分の背中を押すことにした。

自信を失ってしまったり、自信が付いてきたりして

それでなんとか少しづつ成長するしかないです。

やっぱり、あの落込んじゃうクラスへ又行かないと...


ケーブルカーに乗って,スイッと山頂まで登ってしまった私は

最高に素晴らしい思いが出来た、と思うけれど

下から、少しづつ登っていく時にしか見えないもの、味わえないことが

沢山あることも想像出来る


私は、これから4000メートル級のアルプスに挑戦!

なんて、全然気はないけれど

絵の勉強をする時は、ケーブルカーにヒョイッと乗らないで

少しづつ自信を付けながら、上に向かわないと...

なんてね、最近ちょっと思っているの。


ケーブルカーは、最高だったけれど

一歩一歩も忘れずに...


(2015年3月20日執筆)