はなから期待せず、付き合いでしぶしぶ見てきました。
というのも、ジョン・ウーは、ミッションインポッシブルIIでかなりガッカリだったので。

やっぱり三国志といえば私は横山光輝です。仕事で行き詰ったら開き、そこに答えを探すのですが、もう何度読み返したのかわかりません。ボロボロになってます。そんな”漢”のロマンあふれる大事な三国志をどんなことにしてくれたのかと。

そういうふうにまったく期待せずにいったのですが、かなり満足できました。配役も結構イメージ通り、オーバーアクションも三国志の合戦シーンには意外にマッチして、これは大スクリーンで見る価値ありますね。楽しめました。オススメします。

でも、ほんとうの三国志の魅力は、あれじゃないです。ジョン・ウーは反戦映画だと言っていましたが、そんなのはさらにとんでもない話で、私は三国志は「負け方」を学ぶ教科書だと思ってます。

とにかくみんな負けまくりです。弱小の劉備はともかく、曹操にしても、コテンパンにやられること幾度か。その都度、再起を誓い泥水を啜る思いで頑張る彼らのガッツに、自分自身何度励まされたことか。

「人間落ち目な時はこんなものです。今は落ち伸びて再起を図りましょう」と、負け戦の続く将軍に進言する参謀の言葉は、本当のプライドとは何かということを教えてくれたように思います。

勝ち組、負け組なんて頭の悪い表現がありますけど、この壮大な物語は、日頃から勝つことばかり考えているから、負けた時にぐずぐずになって再起不能になると、現代日本人の薄っぺらな価値観を嘲笑うかのように教えてくれます。

ぜひマンガでいいので一度は読むべきかと思います。

しかしかなりの長尺ですね。途中、狩りのシーンで睡眠不足による睡魔と、後半の合戦シーンでは猛烈な尿意と、それぞれ戦い抜きました。