お茶の先生と先輩方の還暦のお祝いを兼ねた大茶会が昨日ありました。
この数か月、新事業のリリースとともに、個人的に大事業だったのが、このお茶会デビューです。

なにしろ先生の席以外にも業躰(いわゆる終身教授)の先生が同時に2席もあるということで、総勢500名以上の出席者。この準備で連休は全部つぶれて、当日も朝6時にでかけて帰ってきたのはい9時でした。

お茶会というと静かな少人数のイメージが強いかと思いますが、こういう大寄茶会は要する「パーティ」です。しかも、時価総額云千万かという大先生方の道具(お宝)が並べられて、華やかな着物に心づくしのお菓子とお茶、それに点心(懐石)席。先生に「こういう世界があるとわかって面白いでしょ」と言われましたが、まさに異世界を垣間見た感じです。弟子は大変ですが・・・。

加えて、今回は水屋での裏方仕事も分担させていただいたので、貴重な経験ができました。

まだまだ日が浅いので許されたのはお菓子の盛り付けと運び出しだけでしたが(足の運びだけでも大変です)、何しろ男手が少ないので先生の運転手役から荷物の運搬荷解きまで、一日中裏方作業を担当したおかげで、これまた普通味わうことのできない貴重な体験をさせていただきました。

毎席、40名近いお客様。お菓子の数、お茶の数、運び出しの段取り、裏方はまるで舞台裏のよう。一方、席のほうでは、先生と正客とのやりとりで、掛物、花、菓子、茶碗、その他の道具についてのお話があり、これまた舞台といっても過言ではないでしょう。

すでに数百年の歴史があるわけですが、これを作り上げた千利休という人はとてつもないプロデューサーだったんだなと、その偉大さを静かなのに慌ただしい水屋の片隅で痛感しました。

来月には本門寺で千 玄室大宗匠の献茶があるのですが、まだまだ一人こういうところに出かけるのは許されません。50、60鼻たれ小僧という世界です。日ごろ偉そうに社長なんてやっていますが、ここにいけば、ペーペーのパシリのような存在になれるというのが一番いいのかもしれないと思いました。