糖尿病、というと「血糖値が高い」

ということをすぐに思い浮かべます。

ですから、血糖値が高い(高血糖)

という言葉には、みなさん敏感なんですが、

実は、血糖値が低い(低血糖)ほうが

非常に危ないんだ、という話をします。




何度か書いているように

糖分は体のエネルギーになるもので

血液の中には一定の糖分があります。


「一定の糖分」を保つために

すい臓からインスリンなどのホルモンが

分泌されていますが、そのバランスが崩れると

糖分を一定に保つことができなくなります。


そこで内服薬や注射でおぎなうわけですが、

下げすぎると今度は低血糖になるわけです。


どういったときに下がりすぎるかというと、

薬を飲み過ぎる、というのが一番分かりやすいですが

そのほかにも食事の量が減る、いつもより遅く食べる、

いつもより激しい運動をした、など、

摂取と消費とのバランスがいつもと違うと

血糖値が下がりすぎることがあるわけです。

また、ほかの薬の飲み合わせで薬が効き過ぎたとか、

飲酒(アルコールを分解するためにブドウ糖を

消費する)によっても血糖値が下がる可能性があります。




さて、血糖値が下がるとどうなってしまうかということですが、



あくび、倦怠感、頭痛、発汗、動悸、集中力の低下、意識障害

など、いろんな症状が現れます。


実は、これらは脳が働けなくなった証拠なんですね。

筋肉や内臓はブドウ糖以外のものをエネルギーにする

ことができますが、脳のエネルギーになるのは

ブドウ糖だけです。低血糖になるとまっさきに

やられてしまうのが脳なんですね。

ですからダメージを残さないためにも早急な対応が

求められるんですね。




そこで低血糖の症状に出会ったら

どんな対処方法があるか、ということですが、

それは糖分補給をすることです。

ブドウ糖があればそれが一番よいですが、

なければ甘いジュースでもアメでも砂糖でも。




ちなみに糖尿病ではない人が

低血糖症状になることはないか、

ということですが、

血糖値が下がると今度は血糖値を上げるホルモンが

分泌されますから、通常は低血糖で倒れるということは

ありません。

ただ、健康な人でも、「お腹がすいて集中力がなくなった」

とか言うことってあります。「チョコレート食べたら元気出た」とか。

あれは、血糖値が下がっている証拠でしょうね。

そうなっても健康な人は肝臓などで蓄えているグリコーゲンを

(ホルモンの働きによって)分解してくれますから

「空腹を通り過ぎたら食べなくてもよくなった」

ということになるんですけどね。