見えているところはそこそこ整えてるんですが、見えないところはグチャグチャで……。
 
 
心当たりの場所ありますか?
 
 
扉があると、つい安心してなんでもかんでも詰め込んで、だんだん奥にある物の存在を忘れてしまったり。扉を開けると雪崩が起きることも。いつか片づけなくちゃと思いながら、なかなか重い腰は上がりません。
 
 
だって見えないから!
 
 
これは、自宅であればまだしも、職場となると、厄介です。職場は、誰が見てもなにがどこにあるかわかる状態が大切です。
 
 
どこの業界でも人材不足のなか、新人を即戦力化をしたいと、さまざまな取り組みをしていると思います。
 
 
マニュアル整備、教育プログラムの充実に、多くの資金や人的投資をしても、うまく新人が育たない、すぐに辞めてしまう、何度教えても同じことを聞かれる、という悩みを聞きます。
 
 
結果、わかっている人、できる人の負担が倍増するだけで、新人教育自体が重荷になっていることは珍しくないです。
 
 
 
こちらは病院にある健診センターの受付棚です。
 

 

 

 
 
オープンになっている上から3段目の壁には、エアコンの電源があります。
 
 
 
 
小さなことですが、これ、教えなくてはいけません。
 
 
■どうやって奥のスイッチを押すのか
■設定を変えるとき、スイッチカバーをどうやって開ければいいのか
■何を動かしていいのか、動かしてはいけないのか
■スライドレールの棚は前に出しすぎると、物の重みでスライドの部分が壊れるかもしれないから何に気をつけなくてはいけないのか
 
 
エアコンスイッチひとつの教育に、そこそこ手間がかかります。
 
 
そして、上段の扉のなか。
 
 
 
下段の私物入れは見ればわかるとして、最上段は、手前のものしか見えず、奥にある物は、そこで働いている人の記憶頼りです。
 
 
新人にはその記憶はありませんし、勝手に触ることもしづらいでしょうから、手前のことしか把握しません。おそらく、手前のことだけ把握していれば、仕事は回るのでしょうが、決して良い状態とは言えません。
 
 
 
さて、こういった問題をひとつひとつ改善していきます。
 
 
 
 
まず、受付足元にプリンターがあります。
 
 
あっ、横道それますが、足元プリンター。だれかが座って作業をしているとき、すみませーん、と、用紙を取らなくてはならないですし、プリントのたび腰をかがめる作業が発生します。たしかにスペース空いてますが、足を入れる場所で、物を入れる場所ではありません。効率が良さそうで悪く、身体負担も含めて足元はなるべく物を置かないようにしたいものです。
 
 
プリンターをスライドレールの棚に移動。エアコンスイッチが露出。ほんの少し手前にスライドするだけで、エアコン操作が可能です。プリンターの落下防止、安全確保のために、レールロックができると更に安心です。
 
 
もちろん、物は前後に置かないのが大正解ですが、狭い空間で前後に物を設置しなければならない場合、単体の物を選びます。複数の物を置くと、奥の物が取りにくい、操作しにくいということが起きるからです。
 

扉も外しました。見えないから、まぁいいかの詰め込みはなくなりますし、作業性も向上します。

 
 
患者さんから見えるのは嫌だ。と言う方が多くいますが、見えてまずいものは見せなければいいですし、見せてもいいようにしておくこともひとつです。
 
働きやすさからの生産性向上か、見た目か、優先順位によって、それぞれ改善のアプローチが変わってきますが、多くの場合、そのどちらも叶えることは不可能ではありません。
 
 
中段は非常に使いやすい場所です。私物用にするにはもったいないので、私物置場を移動して、患者さんへの発送業務に関わるものを置きます。上段は、検査用品の在庫。奥に物が入らないように、収納ボックス(仮)と仮ラベルを貼りました。
 
 
誰が見てもわかる。
 
 
これで、新人を迎える準備は万端です。
 
 
新人の即戦力化。まずは、院長先生、トップが見て、なにが入っているかわからない場所から改善を進めてみてください。