濃度50%のカラーレンズを1ヶ月試したことを以前書きました。
使った感想としては
しかし、僕の結論としては、
少なくとも今の(冬の)季節には、50%のカラーレンズを常用することは、
デメリットがメリットを上回る、と思っています。
その理由は、
予想外に起きたこと2 やる気や活力が抜け落ちた
予想外に起きたこと3 記憶の働きが落ちた
の副作用が余りにも強かったからです。
「ブルーライト 体内時計への脅威」から学ぶ、やる気や活力や記憶の働きが落ちたのはなぜか
で、今回、やる気や活力が抜け落ちたことや、
記憶の働きが落ちたことは、あくまで個人的な感覚でしかありません。
そこで、学術的には実際のところどうなのか。
調べてみました。
参考文献はこちらです。
著者は、坪田一男氏。
慶応義塾大学の医学部眼科の教授の方。
そこらの眼科医クラスだとブルーライトに対してそれほど知見はないと思います。
なぜなら、ブルーライトが目の病気を発症させたり悪化させたりすることは、
眼科医界ではそれほど確立した概念とはまだ言えないからです。
医学的に発展途上な項目は、概念が確立していないので、
知らない医者が多い印象です。
ただ、坪田一男氏はただの眼科医という枠にとどまらずに、
研究者の側面も強く持ち合わせている印象を受けました。
ブルーライトの人体への影響を科学的や医学的に
検証するためにブルーライト研究会を発足させ国際シンポジウムを開催したりしています。
つまりは、ブルーライトの専門家と言っても良いと思います。
あと書ききれませんが、書籍の中の深い知識と、
多様な視点には単純に驚かされました。
濃度50%(可視光線透過率50%)のレンズはブルーライトをどれくらい防ぐのか
今回の仮説
予想外に起きたこと2 やる気や活力が抜け落ちた
予想外に起きたこと3 記憶の働きが落ちた
は、いずれもが眼球に届くブルーライト量が減ったのが原因と仮定します。
(実際に使用したレンズ)
で、380~500nmの波長の可視光線が一般的にブルーライトと呼ばれます。
実際にこのレンズがどれくらいブルーライトをカットしてくれるかと言うと、
推測値で70%くらいだと思います。
”思います”としているのは、公的なデータは公開されていないので、
実際の数値は分からないからです。
(ちなみに、アリアーテトレス社のフェアオークル50というレンズです)
類似のカラーレンズで遮光データーを公開しているものから推測しました。
なので、裸眼や通常の眼鏡(透明レンズ)の方よりかは、
単純計算で1/3しかブルーライトが目に入らなかったということです。
僕はこのレンズをかけた1ヶ月間、
おおよそ1/3しかブルーライト目で浴びずに過ごしたわけです。
ブルーライトで自殺者が減るかも
予想外に起きたこと2 やる気や活力が抜け落ちた
は光量やブルーライトが減ったせいなのでしょうか。
2つヒントとなる記載がありました。
1つ目は、高明度の光を浴びるとうつ状態の改善効果があるという点。
いわゆる光療法。
医療の世界で2500~10000ルクスの光を浴びるとうつへの治療法として使われています。
カラーレンズで光量が少なくなり、
やる気や活力が落ちたのかもしれないと言うこと。
これは僕も光量が減ったことが原因では?とは記事にも書きました。
2つ目は、ブルーライトで自殺者が減る可能性が示唆されている点です。
要点をまとめると、
・JR東日本の駅のホームの照明を青色LED照明にすると、自殺者が減少する
・LED照明を設置した駅では設置していない駅と比べて
ホームからの飛び込み自殺は、平均で84%も低下
・また踏み切りに青色LED照明灯を導入したところ、
自殺が4年間で10件程度あったが、2年間で1件に減少
になります。
ちなみにこの青色LEDは仮定用の白色LEDではないので、
ブルーライトの発生量はものすごく高いそうです。
どうして、ブルーライト照明灯に変えると自殺率が低下したのかその原因は、
筆者は触れていません。
が、光量やブルーライト量がメンタルヘルスに与える影響は、
間違いなくあるので、やる気や活力が抜け落ちたのはある種の必然なのかもしれません。
ブルーライトで認知症を防ぐかも
予想外に起きたこと3 記憶の働きが落ちた
ついても、光量がブルーライト量が減ったから起きたことなのでしょうか。
気になる記載がありました。
朝や昼間にブルーライトを浴びると認知症の進行を
妨げるという研究結果が報告されたのです。
要点としては、
・対象は、オランダの高齢者用のグループホームに住む189人、
平均年齢85.8歳でその約9割が認知症。
実験期間は3.5年(長い!)
・「明るい照明(1000ルクス)」で過ごすグループは、
「暗い照明(300ルクス)」で過ごしたグループに比べて、
認知機能の劣化が5%遅くなり、うつ症状が19%減少、身体機能の低下も53%減少。
つまりは、明るい照明を浴びた方が、
頭もボケにくいしメンタルヘルスも安定して身体機能も衰えにくかった、
ということになります。
筆者は、高齢になると水晶体がにごり、
ブルーライトが網膜に入りにくくなるので、
「明るい照明(1000ルクス)」でも成果が出たのではと述べています。
一般的に、室内で1000ルクスはかなり明るいのです。
光量やブルーライト量が認知機能に影響を与えることが示唆された実験でした。
個人的には、認知機能へだけではなくて、
身体機能にもその影響が及んでいるのが怖いなと思いました。
部屋の明かりが暗いと、身体機能が衰えるってことです。
どうして、こういう結果になったのかまでは触れられていません。
一般論として言えることは、
動かないと(明るさがどうであろうが)自然と認知機能も衰えます。
となると、
身体機能の衰え→認知機能の衰え→さらなる身体機能の衰え・・・(以下無限ループ)
ってのが発生するんじゃないですかね。
身体機能と認知機能のどちらが鶏でどちらが卵かは分かりませんが、
片方が衰えると負の相乗効果が発生してしまいます・・・
「ブルーライト 体内時計への脅威から学ぶ」を読んで感想や口コミ まとめ
今回の仮説
予想外に起きたこと2 やる気や活力が抜け落ちた
予想外に起きたこと3 記憶の働きが落ちた
は、いずれもが眼球に届くブルーライト量が
減ったのが原因と仮定して記事の内容をスタートさせました。
そして、その感覚を裏付けるような実験内容が記載されていました。
やる気や記憶力が落ちていたのは、
自分の個人的な感覚だけではなくて、その点は安心することができました。
自分の感覚と学術的なエビデンスが異なるときは、厄介なんですよ。
今後どうして行くのかの道筋を立てにくいですし。
僕の目や脳は強い光量やブルーライトで、
他の人よりも強いダメージを受けることは間違いありません。
そして自分が体験してきたことや、今回の書籍から
光量やブルーライトの防ぎ過ぎで、やる気や記憶の働きが落ちることも、
かなり強い相関があると思われます。
防がないとダメージがそもそも出る、防ぎすぎても悪影響が出てしまう。
となると、その程よい塩梅はどれくらいなのかを探っていき、
丁度よい落とし所を見つけていくしかないんでしょうな。