貴婦人と一角獣 (La Dame a la licorne)
は、6枚構成の連作で、制作年などは不明ですが、15世紀末に織られたとされています。
絵画ではなく、壁に掛けるタピスリーです。
貴婦人と一角獣初来日
というわけで、六本木の国立新美術館に行ってきました。
東京は人も車も多くて好きじゃないけれど、こういう大きな企画展をやってくれるのうれしい~
ユニコーンだい好き
グッズとかもいろいろあつめちゃう。
六本木へ行く前に予習・・・
この連作のテーマは長年不明だったようだけど、現在では6つの解釈があるそうです。
①「味覚」
②「聴覚」
③「視覚」
④「嗅覚」
⑤「触覚」
最近のお勉強の一環として『五感を鍛える』のをテーマとしています。(おいしいもの食べるとか笑
)
ちょっとタイムリー。
6枚のうち、5枚が五感を表しているとしたら、6枚目のテーマは・・・? となるわけですが、
最後のひとつが、
「我が唯一つの望み」(A mon seul desir)
と呼ばれています。
一体何が望みなのかは謎に包まれていますが、「愛」や「理解」などと解釈されているそうです。シックスセンスじゃないのか
最後の1枚のタピスリーは、人間の男性が一切登場しないものの、婚姻を匂わせる表現が使われています。
やっぱり「愛」・・・かなあ?
獅子と一角獣はマザーグースの歌にも見られるように対立した関係を象徴しているように思えますが、構図と雰囲気は、なんというか『男性性と女性性』、『調和』、『統合』とか、そういうイメージが沸いてきました。
神秘的で美しい貴婦人、幻獣が登場していることで、男女としての「愛」だけではな
くもっと広義的な見方もできそう。
想像以上に大きなタピスリー(エ!?て思うくらいデカかった)をゆっくり見た後、解説文を読んで回りましたが、ユニコーンが処女にのみ心を許すことから聖母マリア(処女)とキリスト(ユニコーン)と連想されることもあるそうです。
そのせいか、
『五感を放棄し、高い精神性を手に入れる」という意味合いの、宗教色を前面に押し出した注釈がなされていましたが、個人的にはそれは好きではありませんでした
「清貧」「欲望の否定」の思想がそもそも旧時代的で私の好むところではないという個人的な思いが大きいですが・・。
「我が唯一の望み」を何か崇高なものだと仮定したとしても、その第6の望みは、
「五感を喜びの入り口としていずれ到達するであろう何か」と個人的には感じます
ふと見かけたブログに、「愛とは分からないもの」「定義付けられないもの」という言葉がありました。
このタピスリーが愛されるのは神秘的で謎に包まれたところに秘密があるような気がしました
愛への入り口?
6枚目のタピスリーで、貴婦人が手に持った宝石と侍女の持つ小箱は、見る人によって印象が全く変わってくると言われています。
貴婦人はきらびやかな宝石を仕舞おうとしているのか?それとも、取り出そうとしているのか・・・。
このタピスリーがフランス国外に持ち出されたのは過去にたった一度、1974年のことだったそうです。
この連作の来日は最初で最後となるかもしれません
ちなみにガイドはシャアの声の人だった・・・(笑)





