ギフテッド界隈でこの1Wくらい放送前から盛り上がっていたのが
ハートネットTVの「浮きこぼれ」特集です。
登場した当事者とその親御さんたちの勇気と思いに頭が下がります。
そして、特集されることでギフテッドへの理解が深まっていくことはとても大事な事だと思いました。
また、多くの方にご理解して頂きたいのは、ギフテッドと言っても本当に多様だということです。
一般的にイメージされるギフテッドとは、映画「ギフテッド」や「グッドウィルハンティング」に出てくるようなmath whizだと思います。
しかし、分かりやすい凸の才能が一見すると無いギフテッドも沢山いる、という点を理解しておくことは非常に大切なことです。
これには様々な要因がありますが、例えば
隠す・出さない・周りに合わせる場合
学校というフレームに当てはまらない場合
凸を隠しているつもりはないが他の出来ない部分が目立ちすぎる場合
本人がまだ自分の強みに気づいていない場合
心が傷ついてしまっている場合
といったことが考えられると思います。
どのような場合であったとしてもその根底には「生きづらさ」があるわけです。
番組の中でも再三指摘されていましたが、そもそも現在の教育が制度疲労しているということです。
何故先取り学習が正規に認められないのか、不思議でなりませんが、これが徒競走に順位をつけない国ということなのでしょうか。
しかし、そうした中でも実際には現場の先生は相当柔軟に対応してくれているケースも多いです。ただ、たとえ現場レベルで例えば小学校2年生で小学校6年生の算数を学ばせてあげていたとしてもそれは現状では正規の単位ではなく、その子はほかの子と一緒に年齢が上がった際に小6をやらないといけないわけですね。(そもそも算数以外は年齢相当という可能性もありますが、、)
さらに不幸な例では担任も変わって、無理やり皆と一緒に小6の算数をやらされる、ということも十分考えられます。
担任ガチャです。
そうは言うものの、現場は相当に柔軟になってきているという印象を持ってはいます。
あとは制度として戦後廃止されてしまった飛び級を日本でも復活させるかどうか、それは政治判断となるでしょう。さすがに飛び級復活で軍靴の音が聞こえる、という人はいないのではないでしょうか?
森鴎外なんて東大医学部の予科に入学したの12歳ですよ。(しかも年齢2歳サバ読んでますからね)
太宰治を読んでいても中学何年生で旧制高校を受験するのか、という話が出てきたりして、昔は相当に能力性だったのだな、と面白く感じます。
この点はぜひ復活してもらいたいものです。
実年齢では小1、でも国語は小6,算数は中学、といった形で科目ごとに進んでいくという指導はこのIT化された時代に間違いなく可能でしょう。
小学校も中学校も早々に大検のような認定試験を作り、年齢関係なく受けられるようにしたほうがよいでしょう。
と、早期学習についてグダグダ書いてますが、それ以上に大切なのは先に書いた「生きづらさ」にいかに向き合うか、という点です。
さらには、浮いているけど、浮きこぼれるほどの凸もない、プランクトンのようなギフテッド達の存在も忘れてはなりません。
こうして考えていくと、「生きづらさ」と向き合うことで、現状全国で苦しんでいる不登校児も含めた包括的な議論へとつなげていけるのではないでしょうか?
学校に子どもを合わせるのではなく、子どもに合う学校を探し、さらにはそれでも合うところがないなら学校なんて行かなくていい!といえる大人をどんどん増やしていくことが大切ですし、そうなったとしても安心して大人になっていけるように制度やホームスクーリングのコンテンツをさらに充実させていくことが急務です。
日本版CTYが早くできることを希望します。
幼いころ、なんで学校に行かないといけないのだろうなぁ、と思っていましたが、大人になってもあんまり世の中変わっていないことにちょっと失望しています。