世の中の人は、精神科に対して様々な期待と偏見を持っています。

 

 
実は医者の中でも『精神科は、何をしているのかさっぱりわからん』、と思われていたり、または『身体を診れない医師の集まりだ』と思われていたりします。
 
なかなかに肩身が狭いものです、、。
 
皆さんはどんなイメージをもっていますかね。
 
 

実は病む前の対応についてはあまり習いません 

 
医学部で、そもそも精神科は外科、内科に比べて圧倒的に授業時間は短いです。いわゆる〈マイナー科〉ってやつ。
 
そこで学ぶのは、必然的に症状、診断基準、病名、治療です。
 
まだ病気になっていない方へのアドバイスについて割ける時間はありません。
 
しかし、この点こそ多く世の中の人が求めている点なので、なんとも不思議な教育になっています。
 
これには仕方ない側面がかなりあります、
 
1つはこれまでに書いている時間的制約。
そして、そもそもの「これ以上悪くしない為に、、」という質問が非常に個人的要素が大きく、一般論としての指導が難しい、という点です。
更には、そうした指導で全て防ぎ切れる訳ではない、という点もあります。
 
以上から、医学部では『比較的白黒はっきりしている点を、短時間で詰め込む』事になります。
 
 

先生のアドバイス全然役に立たないんだけど、、 

 

精神科の敷居が下がり、メンタルクリニックと呼ばれるようになり、主要な駅前にメンタルクリニックが乱立する今の時代。
 
昔とは違います。
 
ビジネスにおけるメンタルヘルスの重要性が叫ばれ、その経済的損失の大きさから、積極的なストレス対策への介入が職場でなされて来ました。
 
その結果として、「病む前の受診」・「内服治療をする程ではない軽症」といったいったパターンが増えています。
 
これは、喜ばしいことです。
 
が。
 
医者の方は準備ができているのでしょうか?
 
いらっしゃる方々は具体的なアドバイスを求めていらっしゃるのですが、、、。
 
ここに大きな期待と現実のズレがあります。
 
多くの医師の側からすると、『休養とストレスの原因の排除をしなさい』というの生活指導をした、という認識です。
 
しかし、世の中的にはこうした具体性にかけるアドバイスに対して、かなり厳しいご意見を持たれていらっしゃる方が多いです。
 
「そんなことはわかってる」
「散々待って、自分でもわかってるような事しか言ってもらえなかった」
 
などなど。
 
 
こうした点はどうしていけば良いのでしょうか?