土曜日。
とても虚しい人に会った。
人を使うことでしか満たされない、
外側の評価だけで生きてるような、
冷たい、悲しい人だった……
あんな人いるんだね
というと国王は、
「え、そんなんばっかじゃん」と言って
笑った。

美しい顔なのに、
私はその人を全然美しいと思えなくて、
人の何にも見てないんだろうな、
と思った。
ほめられないと生きていけないんだろう
とも思った。

虚しい。
そして虚しいものに触れたとき、
私と出会ってきた人たちは
確かに豊かだったのだ、としみじみ思った。

恩師からの言葉を読みながら、
人と出会うということは、
自分も変容せざるを得ないこと、
他者を通した自分と出会い直すーー
生き直すということだったのだ
と感じる。

先生。
私はやっぱり、そのことを考えるとき、
もう一人の先生のことを思わずにはいられない。
先生の生き直しは……?
風穴をあけるだけじゃだめなんだ。
自分と違う他者の眼差しを
感じとって、別の視点を手に入れるだけでは
足りないんだ。
私たちは、一緒に生きなきゃいけなかった。
先生を孤独にさせちゃいけなかった。
一人きりのところから、
先生が何度も個人として生きる、
と言っていたことを思い出す。

先生、家族じゃなくても、
血がつながっていなくても、
あたたかい関係があるよ。
個人と個人として、
それは手に入るんだよ。
そうやって
一緒に生きるあり方があるよ。

先生が言っていたこと、
言えなかったこと、
言わなかったこと、
手にしたもの
手にいれられなかったものを考える。。
出会うことを考えるとき、
きっとずっと考える。