本展では、マティスの芸術の集大成と言われている南仏ニース郊外にあるヴァンスのロザリオ礼拝堂の室内が再現されていました・・・
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写真1(↓):ヴァンスのロザリオ礼拝堂の模型
この礼拝堂は、知人のジャック=マリー修道女(かつての介護士兼モデル)から、戦禍で荒廃した礼拝堂の再建の相談を受けたことがきっかけで、建築と室内装飾の制作に着手したそうです。
写真2(↓):祭壇左奥のステンドグラス「生命の木」
写真3(↓):ステンドグラス「生命の木」のための習作(1950年)
生命の木の背景をなす青色は、おそらくポリネシアの海のウルトラマリンブルーをイメージしていると思われますが、その前面に描かれている植物は何でしょうか・・・
一見すると海藻に見えますが、実はウチワサボテンとのこと・・・
このサボテンは不毛の砂漠にも生えて、花を咲かせ、実をつけることから、忍耐力と生きる意思のシンボルとされているそうです。
ふと、仏教寺院の祭壇にも、泥の中でも清らかに咲く蓮の花が飾られているのを思い出したりしました・・・
写真4(↓):シンプルな聖ドミニコ像
写真5(↓):シンプルな聖母子像
マティスは生前、「この礼拝堂に入る人たちが清められ、ここで重荷を下ろした気持ちになってくれることを望む」と述べたそうです・・・
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次回は、祭壇の反対側の壁に描かれた異様な絵に注目します・・・
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