お客さんは、どうして怒るの? | Sadistic Erotomania

お客さんは、どうして怒るの?

それは、あたしが値引きし忘れちゃったからだよ。



怒られるの大嫌いだけどね、悪いことしたから「大変申し訳御座いません、すみませんすみません」って3回連続で謝ったりするよ。


『こんなに目立つところに貼ってあるのに、どうして値引きできないの!?いっつもそうよね、ここのお店は!客なめてんの!?何回も何回もあるのよ!?誰があんたたちの指導してんのよ、ここに連れてきなさいよ!!大体ねぇ、ヨー○堂みたいに半額の値段のバーコードが貼ってありゃあ問題ないのよ!そうしなさいよ!!』



《ココロの声》

あー、その値引き済みのバーコードはねぇ、諸々のコストがかかるらしいんだよねえ…それはこっち側の都合だとしても、バーコード自体変えちゃうから、貼り間違えしたらオシマイなんだよねえ…確率としては、貼り間違える確率のほうが高いらしいよ、何より、悪いイタズラするお客様もいらっしゃるみたいでねえ…、確かに試験的に導入してるお店もあるんだけどねえ…ウエのやることはわからないからねえ…とんちんかんなんだよ、イ○ングループも…どこも一緒か、あはは。指導してた人はね、飛ばされちゃったんだよねえ…今の主任は敬語もロクに使えないオバチャンですけども、連れてくる?連れてくる?余計不愉快になること極まりないけどねえ…だからちょっと無理かしらねえ…。



《実際》

「はい、はい、大変申し訳、あ、はい、すみません、何度もハイ、申し訳御座いません、はい、大変貴重なご意見有難う御座います、只今検討している最中で御座います、はい、はい、この度は誠に申し訳御座いませんでした、有難う御座いました、今後共どうぞよろしくお願い致します!!!」





藤木 『すげー滑らかな口だねー、超ウケるー☆』


めちょ 「うっさい黙れ!もうすでに常套句じゃ!ポイントは、マニュアルの『またお願い致します』を言わないとこね!何故なら、ニュアンスから『もう二度と来ねーよ!』ってキレられ、る…から……」


藤木 『……休憩いっといで』




そんなしょんぼりテンションの中、あたしのレジの前から微動だにしなくて、あたしが何するにもお邪魔で、他のお客さんの邪魔にもなってたオバチャンがいたのね。

夜だからそんなに人もいなかったんだけども、やっぱ邪魔で。



「申し訳御座いませんお客様、お荷物、よろしいですか?」


『……やだ』


「……あ、あ、あちらにお運びしますか?」


『……触るな』


「………………他のお客様にご迷惑がかかりますのでー!失礼しまーす!!!」



ガッと抱えて、強奪、運ぶ。

他のお客が「どうにかしろ」って目で見てんのよ、悪いけど。


で、レジピッピに戻ったところ、その迷惑極まりなかった客が、あたしのレジにまた来た。




「…………死ねばいい」



あん?




「死ねばいい、死ねばいい、死ねばいい死ねばいい死ねばいい死ねばいい死ねば……」




えええええええぇぇえええあああぁああああ、コレやーーばーーくーーなーーーい☆




あたしのレジに並んでたお客さんもオロオロ。

違うレジに移るお客さんたち。(ううううううう裏切り者!)(人ってみんな勝手!)


助けてくれない、仲間3名。(恨む)

こういうときに限っていない、警備員。(呪う)



あー、困ったなーと思ってる最中にも、「死ねばいい」は続く。

1分は続いた。



そしたら、「困る+怖い+理解したくない=真顔」の法則に乗っ取って、 悪 い の 出 た 。




「申し訳御座いません、お客様。 そ の ご 用 命 は 、 承 れ ま せ ん 。 」(真顔)


『………』(ガン見)


「………あちらの出口まで、お荷物、お持ちしますか?」(真顔)




しかしながら、あたしの親切を無視して、ヤツはノシノシ帰ってしましましたとさ。





藤木 「俺、あの客に死ねって言われたことある、有名だよー、あの人」


めちょ 『何だよ、他の人に言わないように丁寧に言い返してやったのに、有名なんだ』


藤木 「うん、俺は「死ねって言われて死ぬわけないし!」って言ったけどね、エライよ、キミ」




船木 「あたしもよく舌打ちされるんですよー、だから、長州小力に似てるくせに!っていっつもココロの中で叫んでます!あのふてぶてしい顔は忘れられません!




小力に似すぎて笑ってしまったのと、船木サンの可愛らしさに免じ、小力似を許そうと思います。


よく考えたら、1分も「死ねばいい」を放置したあたしもふてぶてしいよね。

えへ。