【レビュー】ボンバーマン ウルトラ
▼身動きの取れない・・・▼
ハドソン初のPS3ソフト
ハドソンから初めてPS3向けに発売された今作「ボンバーマン ウルトラ」。
基本設計はボンバーマンだが、それを新世代機向けにアレンジした今作は、オンラインでもオフラインでも多人数で遊べるように設計されている。
オンライン対戦は最大8人。オフラインでは7人同時対戦まで可能。
ストーリー性は皆無。
ファミコン時代のころは、ボンバーマンというサイボーグが地上へ生還するための物語で、その後ボンバーマンは「ロードランナー」として活躍するという、当時にしては画期的なシナリオを持っていたが、さすがにそのシナリオを今作まで引きずることはできず、シナリオ性は完全に排除して、ゲーム性のみのストレート勝負に出ている。
グラフィックは、固定画面の3D。いわゆる2.5Dゲームで、画面は固定。
新世代機にしては書き込みの少ないグラフィックだが、リアリズムを追及しているわけではなく、あくまでゲーム性が主軸になっているので問題はない。
ただ、カラフルすぎる配色は高級感に欠け、安っぽく見える。2Dグラフィックと3Dグラフィックの世界観の統一ができておらず、いかにも「他の部署で描きました!」というような不揃いな印象を受ける。
まずはこの眩しいほど鮮やかな配色を、もう少し大人しくして欲しかった。
数多く用意されたコスチュームは良くできており、オンライン対戦の際個性が出しやすいのは良い。
音楽は、アグレッシブでテンポの良い曲。
音楽に厚みはないものの、テンポの良さがそれをカバーしている。ボンバーマンらしい曲に仕上がっている。
操作性は良くない。
オンライン時、敵が突然ワープしてしまったり、逆に自分が壁に引っかかってしまったりと、2Dゲームを無理に3D化していることにより、深刻ではないものの多少操作に不具合を感じる。
また、システム周りの操作性はかなり悪い。
どこが悪いとは一言では言えないが、とにかくシステム周りはユーザーを思って作っていない使用になっている。
ステージ開始時に設定することが多すぎ、ユーザーを混乱させがち。自分がいまどこで何の設定をしているのかわからなくなってしいそうである。
オリジナリティは、完全に消えてしまった。
数あるボンバーマンシリーズのなかで、差別化が図り切れておらず、価格と手軽さが武器になってしまっている。
ファミコン時代に、ゲーム性が完成しすぎてしまっていたため、それ以上ベクトルを伸ばすこともできず、かといって方向性を変えるわけにもいかず、完全にファミコン時代から進化が止まってしまっている。
唯一進化したグラフィックも、ほかのゲームと比べるとあまり良くないため、かなり古い印象を受けてしまう。
このゲームの面白さは、何といっても多人数プレイにある。
オンラインでの同時8人プレイは面白く、ボンバーマン本来の面白さがわかってくる。
また、何より面白いのはオフラインでの多人数プレイで、PS3の同時プレイ最大人数である7人まで参加でき、多人数でプレイすると盛り上がること間違いなし。
ゲーム自体は旧作と大して進化していないが、反面ゲームの面白さの安定感は抜群。絶対に万人受けする。
もっぱらパーティーゲームで、パーティーゲームとして見れば1000円という値段設定は妥当。
誰にでもお勧めできる作品だが、オンライン環境が整っておらず、且つ一緒にプレイする友達が周りにいない人には不向き。
評価 .
ストーリー:≪1≫
グラフィック:≪5≫
音楽:≪7≫
操作性:≪4≫
オリジナリティ:≪3≫
満足度:≪6≫
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
総合:≪5≫