【レビュー】NARUTO-ナルト-ナルティメットストーム
▼サイバーコネクトツーの超技術▼
- NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム
サイバーコネクトツー様。恐れ入りました。
特出すべきは、アニメとの境界をなくしたという、そのグラフィックのクオリティの高さ。しかしながら、それは表向きだけで肝心の中身はそれを遥かに上回るほど完成度が高い。
新年早々このような作品と出会えたことを光栄に思うとともに、これだけ水準の高いゲームを国内で作ることが出来るのだという日本人としての誇りと、こんなにクオリティー高いと他のゲームが不憫に思えるゲーマーとしての悲しみが入り混じる。
ストーリーは原作を忠実にトレースしている。
ただ、シナリオをムービーで追うのではなく、つなぎの所はロード中に文章で追ったり、サブシナリオに回している。それによりテンポは非常に良く、中だるみはない。
シナリオの始まりは1巻の途中から。ナルトとイルカの下忍になるための駆け引きは、はじめは省略されており、下忍になったところからの開始となっている。
グラフィックは他の追随を許さぬ驚異的な出来栄え。素晴らしいの一言に限り、なめらかなモーションと書き込まれた町並み。多くの人の中を高速で移動しているのにもかかわらず処理落ちしない画面など、グラフィック周りは無敵の技術力を見せ付けられる。
音楽は、グラフィックに見とれていてついつい見逃してしまいがちだが、アニメチックな音楽に仕上がっており、非常に好感触を持てた。飛びぬけて印象深いわけではないが、作品との調和を考えると非常に良い出来。
操作性は、唯一カメラ速度が気になった。ナルトの高速なアクションに対してカメラの動きが初期設定のままだと遅めに設定してあるが、設定で自由に変更が出来るので問題がない。
システム周りに関しては、ここまでユーザーを思って作られたものは少ない。素晴らしい出来。
ストレスはゼロ。むしろ、快感に思えてくるほどのシステム周りは、シンプルかつ素早く動き完璧。
ロード時間は少し長めなものがあるが、マップがとてつもなく広いため、回数は少なめ。ストレスにまではならない。
オリジナリティは少ないが、忍者ゲームの集大成とも言える今作。グラフィックにおいてもアクションにおいても凄く新鮮に移り、真新しく感じる。
PS2では実現できなかった広いフィールドマップも、時代のニーズにこたえる形で実現し、新しさを感じる一因となっている。
ナルトのスピーディー且つ滑らかな動きは新鮮で、スピードゲームにはありがちな操作性のアバウトさや操作系IAの勝手な反応などは全くなく、スピーディーながらも自分の思ったとおりの操作が出来る。
アニメゲームだからといって侮るなかれ。これは度肝を抜かされた一品。
原作を全く知らない人でも、間違いなく楽しめるように作られており、低年齢層や中高年層のみならず全ての人に一度は手にとってもらいたい。
オンラインモードこそ実装されていないが、対戦モードはそれに遜色ない駆け引きが楽しめ、非常に好感触を持てる。
年始からこのようなゲームをやると、その後のゲームが色褪せそうだが、それでもこのゲームは一度遊んでみるべきだと思う。
評価 .
ストーリー:≪9≫
グラフィック:≪10≫
音楽:≪9≫
操作性:≪10≫
オリジナリティ:≪8≫
満足度:≪9≫
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
総合:≪9≫